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ヴェネツィアのアックア・アルタ

  • 執筆者の写真: 舞緒ルイ
    舞緒ルイ
  • 2018年11月2日
  • 読了時間: 3分

安定したお天気が続いていた10月中旬から一転して、10月最後の週末~週明けにかけての悪天候はイタリア全土に暴風雨をもたらし。。。その影響で各地に水害や倒れた街路樹の下敷きで負傷者や死者まで出てしまいました💦

そして、日本でも有名な観光地で北イタリアに位置するヴェネツィア(ヴェニス)が水浸しになった映像がニュースでも流れたようです。こちらのネットニュースでもたくさんの映像がアップされました!

<サンマルコ広場に設置された板の通路を渡る観光客>

無数の運河が縦横に流れ、水に囲まれた美しい「水の都」として知られるヴェネツィア。このヴェネツィア独特の「アックア・アルタ(Acqua alta)」という現象をご存知でしょうか?

「アックア・アルタ」とは、直訳すると”水位が高いこと”...高潮と吹き荒れる季節風によってヴェネツィアの街の内部まで浸水してしまう異常潮位現象のことです。秋から春にかけて主に発生するのですが、この現象が起こると「水の都・ヴェネツィア」は一瞬にして「水没の都・ヴェネツィア」に大変身してしまうのです。

海面水位は観測基準地点をもとに表示されますが、浸水の目安としては、例えば海面水位81cm以上でヴェネツィアで一番低いサン・マルコ広場の一部が浸水しはじめます。110cmを超えると「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮と定義され、ヴェネツィアの1割以上の場所で浸水してしまいます。

<サンマルコ広場から大運河へのアクセス部分、陸と水の境界線も判別不能>

今回の悪天候では、短い時間に大量の雨が降っただけでなく、イタリア半島に吹き込んだ強風と高潮のタイミングが重なったことで、ご覧のような異常事態となり、160cm近い水位を記録したとか...

一時はサンマルコ広場が封鎖され、街へアクセスする水上バスの運航も中止されて、観光客は完全に足止めをくってしまったそうです。

これだけの高さまで水が上がってしまうと、街の商店やレストランも営業ができないばかりか、商品もダメージを受けたり、店内に浸水した水の後始末も大変です💦

何より教会や歴史的建造物などの貴重な美術品が受けてしまうダメージは計り知れないものがあり、それらを管理する人たちの苦労を思うと心が痛みます。

<サンマルコ寺院の内部まで浸水して入場不可>

奇しくも、この大規模なアックア・アルタのちょうど1週間前に、ミラノからの日帰りアテンドで現地を訪れていました。その時は雲一つない青空の素晴らしいお天気だったので、ことさらに今回の悪天候のニュースに「大自然の驚異とそれによる脅威」を痛感せずにはいられませんでした。

旅行中の天候ばかりは事前に予測ができない要素の一つではありますが、万が一のこういった事態に備えて可能な限りの情報を入手して準備することも大切なことですね。

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