- 2021年9月26日
東京オリンピックが閉幕し1ヶ月半、そしてパラリンピック閉幕から3週間が経過しました。地元開催の日本人選手の活躍と連日のメダルラッシュに沸いていた日々が、だいぶ前のことのように感じます。
開催期間中のイタリアでは...時差があるため全ての競技をライヴで見ることは難しかったのですが、実は相当な盛り上がりを見せていました!
過去の五輪では、1932年のロサンゼルスと1960年のローマで36個のメダルを獲得したのが最多だったのですが、今回イタリアは、金メダル10個、銀メダル10個、銅メダル20個で史上最多40個のメダルを獲得したのです。

上の写真のように、様々な競技での幅広い活躍が見られたのですが、特筆すべきは、陸上競技で5つの金メダルを獲得した大躍進で、まさにイタリアスポーツ界の歴史を書き換えた大会とまで言われています!
その中でも、最高傑作の一つと言われているのは、男子4x100mリレーでイタリアが金メダルを獲得し、世界最速軍団になったことではないでしょうか。
イタリア国営放送のRAI2では、8月6日当日のイタリアの記録(37.50秒)のハイライト放送だけで、40.7%の視聴率を叩き出し、424万8千人がテレビの前で金メダル獲得の瞬間に熱狂し歓喜したという統計が出ています。

第二走者には、5日前の男子100mで金メダルを獲ったジェイコブス(写真右から2人目)選手がいて、これ自体もかなり予想外の出来事だったとはいえ、「もしかしたら?」という期待感が高まっていた中で、それでも「ま、まさか!リレーでも優勝するなんて!!」と、イタリア中を驚かせた出来事であったことが良く分かります。
このリレーでは、隣のレーンを走っていた日本代表がバトンのミスで残念ながら失格となってしまう...という、日本人にはショッキングな出来事もあったため、個人的にはとても複雑な心境でしたが💦
そして、その後のパラリンピックでもイタリア代表の快挙が続き、結果は、金メダル14個、銀メダル29個、銅メダル26個と、合計69個のメダルを獲得したのです。これは、1960年の地元開催ローマ大会での80個に次ぐ2番目の記録です。
<大統領と首相からメダリストへの祝福>
メダリストたちは帰国後に、それぞれの家族と夏のヴァカンスを過ごしたようですが、諸々が落ち着いたこのタイミング(9/24)で、東京へ携え持っていったオリンピック・パラリンピックの公式ナショナル・フラッグ(イタリア国旗)の『返納式』が、大統領官邸(クイリナーレ宮殿)の庭園で行われました。
この国旗は、イタリア代表選手が東京へ出発する前の6月23日に行なわれた『授与式』で、大統領から渡されていたものですが、そこにメダリスト達のサインが書かれ、オリンピック代表2選手、パラリンピック代表2選手それぞれから返納されました。
そして、4x100mリレー代表の4人からは、実際のレースで使用したと思われるリレーバトンが『大統領への贈り物』として進呈されました。
式典の最後には、大統領からメダリスト一人一人に『共和国の記念メダル』が手渡されました。
引き続きメダリストたちは、首相官邸(キージ宮殿)へと向かい、ドラギ首相から祝福と労いを受けました。詳しい内容は割愛しますが、最後に中庭でメダリスト全員集合で首相を囲んだ記念写真がこちらになります。

この夏のイタリアでは、2ヶ月前のサッカー欧州選手権の優勝やテニスのウィンブルドンでの準優勝も記憶に新しく、続いてオリンピックがあったため、スポーツ界全体が活気づいていた印象ですが、この日のセレモニーをもって一段落といった感じです。
ですが、すでにサッカーの新シーズンが開幕していて、フィギュアスケートなどの冬季スポーツのシーズンも、間もなく開催予定の北京オリンピックに向けて始まっています。
そして、冬季オリンピックといえば、5年後の2026年にはここミラノでの開催が決定しているので、今から楽しみです(^^♪
<イタリアの感染状況の推移>
では、イタリアのその後の感染状況の推移について見てみましょう。(この記事は執筆時9月26日現在の情報を基に書いています)
この3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。
※1週間のトータル数ではなく、一日あたりの平均数となります。
* 9/ 3- 9/ 9 感染者数: 5,386 死者数: 59 回復者数: 6,324
* 9/10- 9/16 感染者数: 4,602 死者数: 57 回復者数: 6,484
* 9/17- 9/23 感染者数: 3,243 死者数: 55 回復者数: 5,375
9月に入ってからは、徐々にではありますが感染者数が減少してきています。これが、8月から導入された『グリーンパス義務化』の効果なのかどうかは検証中でしょう。
さらに、イタリア政府は9月16日の閣議で、10月15日から全職場でグリーンパスの提示を義務づけると決めました。実際には、民間企業の社員、公務員、自営業を含む全ての労働者(2300万人)が対象となります。
つまり、職場に入る際にワクチン接種か検査での陰性、新型コロナからの回復のいずれかを示す証明書が必要になり、従わない場合、出勤停止や、最大1500ユーロ(約19万円)の罰金が科されるという厳しい措置です(ただし、解雇は認められません)。
イタリアでは、昨年の夏に一旦落ち着いていた感染状況が、ヴァカンス明けの秋になって再び急激に広がったことから、今年は同じ轍を踏まないようにと規制が徐々に強化されています。
この欧州初の踏み込んだ措置で、現在約7割にとどまっているワクチン接種率を引き上げ、今月末までに目標の8割を実現する狙いがあるようです。
<お知らせ>
突然コロナがやって来てから約一年半に渡って、このブログでレポートしてきた【イタリアの感染状況の推移】ですが、今回を持って統計を取るのを終了しようと思います。
最初は自分の記録用にとつけ始めたものだったのですが、当時の日本でイタリアの状況がきちんと報道されていない気がしたので、このブログを目にしてくれている方だけにでも現状を伝えられたらと続けてまいりました。
当初は、こんなにコロナ禍が長引くとは思いもせず、いつか『収束』から『終息』へ向かうことを願いつつ、やがて統計の数値がゼロになることを信じて継続してきました。
今もこの想いに変わりはないですが、実はこの数値を出すのは全て手作業で記録と計算をしていて、それなりに大変なのです💦
ここのところ、日本の感染状況が落ち着いてきたので、このままリバウンドしないことを切に祈りながら、お知らせとさせて頂きました。
なお、ルイジーロのHP自体もリニューアルを検討していて、今後はそちらの作業に時間をかけていき、新しいスタイルのブログで情報発信を考えております。
詳細が決まったら、改めてご案内させて頂きますので、ぜひお楽しみに!
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