ヴェローナ野外オペラ観劇レポート!
- 舞緒ルイ
- 2016年9月30日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年11月4日
気が付いたら今日で9月も終わり。。。1ヶ月以上のご無沙汰となってしまいました💦
ちょうど遅めの夏休みでイタリア国内を旅行したり、ミラノに戻って間もなくは見本市のアテンドのお仕事があったり、そして来週からの南イタリアツアーの準備などで日々忙しくしております。
さて、間が空いてしまいましたが、前回のヴェローナ・レポートに続き、今回はヴェローナの「夏の風物詩」として世界的にも有名な野外オペラの観劇レポートをお届け致します!
(そう、ヴェローナ訪問の目的は、このオペラ観劇だったのです。終演が真夜中になるため、実際にはヴェローナに1泊したのですが、連載ではミラノからの日帰り都市としてご紹介しました。)

毎年6月下旬から8月末まで、ほぼ毎晩のように公演が行われる野外オペラ・フェスティバルは、1913年にジュゼッペ・ヴェルディ生誕100年を記念して開催が始まりました。以降、二度の世界大戦による休止期を除いて、世界最大規模の定期屋外オペラ会場として、ここアレーナ・ディ・ヴェローナは利用されています。(オペラのない時期も、一般公開されていて内部の見学が可能です。)
では、入口から中へと入ってみましょう。こちらでチケットのチェックをしています。入場口は座席カテゴリーごとに分かれていますので、チケットに記載されているゲート番号を確認して下さい。

ヴェローナの野外オペラがここまで有名になったのは、その巨大な舞台ならではの壮大な演出に加え、古代ローマ時代の大理石遺構の醸し出す独特の雰囲気が通常のオペラハウスとは違った魅力が味わえること、そして音響的にも優れていて、バックスタンド席でステージ上の息遣いが聞こえるほどだと言われています。また、出場する歌手・指揮者・演出家も当代最高レベルのもので、たとえば、マリア・カラスが1947年のイタリア・デビューをこのアレーナ・ディ・ヴェローナで飾ったことは、オペラファンに限らず良く知られているところです。

長径139メートル、短径110メートルの楕円形のこの闘技場は、紀元後30年頃(ローマのコロッセオよりも古い)に完成したと考えられていますが、正確な日時は特定されていないそうです。もともとはローマ時代の都市を防御していた壁の外側に位置していましたが、市域の移動に伴い、現在ではヴェローナ市街地のほぼ中心に位置しています。
観客席は44段の大理石製で、当時の収容人数は約25,000人であったとされています。外観は2階建てのアーチ造りで、創建当初はさらに外周に3階構造のアーチをもつ外壁が存在していましたが、1117年の地震で大部分が倒壊してしまい、僅かにその遺構(写真上)を北西部に留めるのみです。
現在は、舞台設定にもよりますが、満席で約1万6千人の観客を収容できるそうです。
今回、私が観劇したのは、ここヴェローナでも一番人気のあるヴェルディの「アイーダ」です。
7月の初旬だったので、日はまだまだ長く、開演時刻の21時近くでもこの明るさです。通常は舞台下に隠れてしまうオーケストラもスタンバイしている様子が見え、指揮者の登場を待っています。

平土間のほぼ中央とかなり良い席だったせいか、屋外なのに周りの観客がドレスアップしているのには驚きました。スタンド席の方はカジュアルな服装の人が多かったです。外国人(イタリア人以外という意味)のお客様もたくさん来ていました。
「アイーダ」のお話は古代エジプトということで、舞台上にもオベリスクやスフィンクスがセットされています。

演目が進むにつれ、周囲が段々と暗くなってきました。写真の右上部に見られるように、舞台の左右にはモニターがあって、オペラの歌詞がイタリア語と英語で字幕が出ます。
アイーダは第4幕まであり、上演時間も3時間を超えます。幕間には休憩が入り、入り口付近のバールで軽食や飲み物を取ることもできます。
<夜の撮影で、しかもスマートホンのカメラで撮っているため、これ以降の写真はかなり映像が荒いのでご容赦ください。雰囲気は分かって頂けると思います。>

第二幕が始まりました。アイーダの中で一番華やかなシーンが続きます。黒人の子供たちもしっかりと役をこなしている姿がかわいかったです。
そして、アイーダのオペラ曲の中で最も有名な「凱旋行進曲」の場面です。なんと、本物の白馬が登場します!! さすが野外オペラならではで、松明の火なども本物の火を灯しています🔥

凱旋行進曲といえば、サッカーの応援ソングとして使われているので、今では誰でも聞いたことのある馴染み深い旋律となっていますよね。
そして、続く宴の舞ではバレリーナの素晴らしい踊りが見られますが、カラフルなリボンを使う場面は新体操を思い起こさせます。出演者たちの衣装もとても豪華で凝っています。

第三幕は地味なシーンが多く写真はないのですが、その分しっかりとソロのアリアを聴かせてくれました。やはり、あらかじめストーリーを予習していった方が、より流れを把握しやすいと思います。
そして、いよいよ最終幕。。。途中で飽きてしまったり、眠くなってきたりしたら、最終幕の前に引き上げることも考えていたのですが、素晴らしい演出と音楽に、そんな心配は無用でした。
ただ、夜も深まってくると夏とはいえかなり冷え込んできます。私もストールを持っていきましたが、会場内ではブランケットが販売されていました。

この最終幕では、上下のシーンを同時に進行させていて、なかなか凝った演出になっています。
屋内のオペラ劇場で「アイーダ」を見たことがないため比較はできないのですが、この舞台の迫力はここヴェローナのアレーナならではだと思います。私も一度は、ここヴェローナのアレーナで「アイーダ」を観てみたいと思いながら、なかなか縁がなかったのですが、実際に見てみて、長年に渡って人気があり続ける理由に納得しました。
もちろん、演目はアイーダ以外にもあり、毎年5‐6作が交互に上演されます。実は、既に2017年のプログラムと日程が発表されチケット発売が開始されています。
来年は「アイーダ」の他に、「ナブッコ」、「リゴレット」、「トスカ」、そして「蝶々婦人」が組まれています。
ルイジーロでは、ミラノのスカラ座だけでなく、このヴェローナの野外オペラのチケットも予約代行を承っております。
ご興味のある方は、お気軽にお問合せ下さい!
(ただし、一度購入したチケットはキャンセルが利かないため、旅行日程が確定してから予約されることをお勧めします。)
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