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ミラノでアルピーニが大集結!

  • 執筆者の写真: 舞緒ルイ
    舞緒ルイ
  • 2019年5月14日
  • 読了時間: 3分

先週末(5月10~12日)のミラノはちょっとしたお祭り騒ぎだったのですが、皆さんは「アルピーニ」って言われてもあまりピンと来ないですよね?

一言でいうと「陸軍山岳隊」の人たちのことを指しますが、イタリア陸軍の兵科の一つで、山岳戦を専門とするエリート部隊...語源はイタリア語で「高所」を意味するアルピーノ(Alpino)から来ています(その複数形でアルピーニとなります)。

歴史はイタリア王国成立直後の1872年に創立された王立山岳連隊にまで遡る事ができ、今日においては世界で最も歴史ある山岳部隊だそうです。

彼らは年に1回、イタリア中のアルピーニ兵やその経験者たちが一堂に会して祭りを行うという伝統があり、会場に選ばれた町では数十万のアルピーニ兵が訪れて再会を喜び合い、街頭は彼らを歓迎する住民とイタリア国旗で埋め尽くされるのです。

その92回目の集会の場として選ばれたのがミラノ・・・今年は「ナショナルアルピーニ協会」創立100周年記念と言うことで大掛かりなセレモニーが催され、ミラノの街中でお祭り騒ぎとなったのです。その数なんと50万人と発表され、色々な交通手段でミラノめがけて集まって来ました!

たまたま見かけたユニークなアルピーニたち。。。特徴的なの大きな羽根のついた山岳帽をかぶっているので、すぐに分かります。

「幼い時から山で暮らす者から構成される」という伝統が堅守されているため、他の兵科(砲兵や戦車など)とは違って軍管区内の定められた土地に住むイタリア人しか原則的に志願することは難しいらしく、そのため一族代々の生業としてアルピーニ兵を続けている一家も少なくないのだそうです。

戦のなくなった現代は、国境の警備や地震・水害などの災害地での援助活動で功績をあげたりと様々な活躍をしているそうです。

ホテル等の宿泊施設に滞在していた部隊や家族もいたようですが、ほとんどはキャンピングカーなどでやってきて、車の中やテントを張って寝泊まりをしていたようです。

日頃、イタリアの観光地などで軍服を着た兵隊の人たちを見かけることがあるのですが、観光客がうっかり彼らにカメラを向けたりすると怒られてしまいます。

ところが、アルピーニはとっても陽気で人懐っこいことでも知られていて、ご覧のようにカメラを向けると手を振ってくれました。

街の中心部でも、色々な催し物が開かれていました。スフォルツェスコ城の周辺は、まるでビアガーデンのように屋台が並び、バーベキューの煙でモクモクとなっていました!

大聖堂広場やガレリア内もアルピーニ達で溢れかえっていました!彼らも普通に買い物や観光を楽しんだのでしょう。

日曜日にはこの広場でパレードやセレモニーが行なわれたのですが、そのための観客席も設けられていました。パレードには8万人が参加して市内を練り歩いたので、中心部の交通機関も制限されていました。また、セキュリティの関係で、土日は大聖堂もテラスもクローズされたので、そうと知らずに来ていた観光客の人たちはガッカリだったようです。

街をあげての歓迎ムードは、市の交通機関の粋な計らいからも窺えます。

街中を走るトラムやバスも、この3日間は行先のところに「VIVA GLI ALPINI」(アルピーニ万歳)という表示が路線番号の横に書かれていました。

以上、イタリアならではの、ちょっとした歴史が垣間見られるイベントの様子をお伝えしました。

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