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イタリアでの免税手続きについて~前編

  • 執筆者の写真: 舞緒ルイ
    舞緒ルイ
  • 2019年10月27日
  • 読了時間: 5分

更新日:2020年6月30日


日本では消費税が10%になったばかりですが、日本での価格表示は税別になっていることが多いかと思います。

イタリアでは表示価格はすべて税込金額になっていて、商品によって税率は異なりますが、旅行者が持ち帰るような物品は、ほぼ22%の付加価値税<VAT>が含まれています(ちなみに食料品は4~10%)。

そのうち免税手続きをすることで払戻還付されるのは11~15%(購入金額によって戻り率が変わる)となるので、大きな買物をされる場合にはとてもお得な制度ですよね。

...ということで、今回は『イタリアにおける免税手続き』についてご説明いたします。

〔免税の条件〕

タックスフリー加盟店(個人商店などで加盟していない店も多い)で、1日の1店舗の買物の合計額が免税対象額(154.95ユーロ*)以上になった際に、「タックスフリー プリーズ」と申告し、パスポートを提示(コピーでOKの場合もあり)して書類を発行してもらいます。

この条件は国ごとに異なりますので、詳しくは渡航先ごとに確認してください。

〔免税手続き代行業者〕

イタリアでは、主に以下の3つの代行業者があり、下の図の中央の<Global Blue TAX FREE>(グ

ローバルブルー社)加盟店が大半を占めています。次いで、右の<PREMIER tax free>(プレミア社⇒※現在<planet>「プラネット」に社名変更されていますが、書類等はまだ以前のものが使用されていることも)があり、少数ですが左の<TAX REFUND FOR TOURISTS>(タックスリファンド社)の場合もあります。これはお店によって異なります。

〔免税書類〕

一昔前は、書類に名前や住所等の情報を自分で記入するケースが多かったのですが、その後はショップの店員が端末に入力して書類を印刷してくれるケースが増え、さらに最近ではテクノロジーの発達で、お店のタブレットに必要事項を入力をしたり、パスポートを直接スキャンするだけでデータが読み込まれるケースもあり、だいぶ簡略化されている印象です。

なお、ブランド店では顧客リストに登録(他都市でも同ブランドで買物したことがある場合)されていると、名前とパスポート番号で検索がかけられ、入力の手間が省けます。ただし、パスポートを更新して番号や名前等が変わっている場合はご注意ください。

テクノロジー化に伴い、免税書類も多様化していて、同じグローバルブルー社でもA4サイズの書式の場合もあれば、長いレシートのような様式の場合もあり、またお店によってレシートの控えをセロテープやホチキス止めしてくれる所もあれば、別に渡してくる所もあるので、レシートを失くさないように受け取った際に書類と一緒に保存しておきましょう。

〔記入内容〕

この時点で、万が一パスポート番号や名前のスペルが違っていたりすると、空港での手続き時にNGとなってしまうこともあるので、面倒でも間違いがないかチェックされることをお勧めします。

そして、どの様式でも共通して必要なのは、購入者の署名(サイン)です。大概の場合、お店で署名欄にサインするよう指示されますので、パスポートと同じサインをします。たまに、その場で言ってくれない人もいるので、自身でチェックして記入しておきましょう。

〔免税手続き〕

いよいよ帰国時の空港での手続きですが、大きく分けて以下の2通りあります。

航空会社への預け荷物(スーツケース類)に入れて、チェックインエリアの税関または代行窓口にて行なう(※チェックイン前にできるケースとチェックイン後でないとできないケースあり)

機内持ち込みの手荷物に入れて、セキュリティチェック後(またはパスポートコントロール後)の中の税関または代行窓口で行なうか、帰国ルートによっては乗継地の空港で行なう

原則はEU加盟国の最終出国地での手続きとなりますので、ヨーロッパを周遊する場合やイタリア旅行の後にEUの他都市に立ち寄ってから帰国する場合などは、日本へ帰国する際の最後のEU加盟国の出発地点でまとめて手続きをしなくてはなりません。

また、払戻しを受けるための大前提は、 購入品が未使用の状態で旅行者とともに出国して持ち帰られることです。ですので、基本的に値札等のタグはつけたままでおきましょう。

例えば、①のケースで品物や金額によっては税関認証が必要となる場合があり、税関では実際にスーツケースの中に対象品が入っているか荷物を開けて品物をチェックされることが時々あります。よくある例は、トップブランドのバッグや衣類などでも高額商品のものです。

万が一、税関で商品を見せるように言われた場合は、すぐに取り出せるように荷造りしておくと良いでしょう。

②のケースは、基本的にスーツケースに入れられない、またはセキュリティ上で入れるのが心配な品物の場合です。例としては、高級時計、ジュエリー等の貴金属・宝飾品、精密機械、壊れやすいものなどが挙げられます。

特に高級時計やジュエリー類の高額商品は、①の方法では税関認証を受けることができず、②の方法で手続きするよう指示されます。税関で品物を提示する際は、購入時の箱に入った状態で、念のため購入時に渡された保証書なども一緒に見せられるように用意しておきましょう。

上記の手続きの細かい手順については、同じイタリアでも空港やターミナルによって異なりますので、さらに具体的な手順については後編でご紹介したいと思います。

※こちらは2019年10月時点での情報を基に記載しています。

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