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  • 執筆者の写真舞緒ルイ

コロナ禍でのヴァカンスは~<前編>

早いもので9月に入り一週間~朝晩はすっかり涼しくなったミラノです。

9月といえば、欧州では長ーい夏休みが終わり、新学年がスタートする月でもあります。


昨年のコロナ禍での最初の夏は、国内で過ごす人や、夏休みそのものを諦めた人も多かったのですが(我が家は後者)、さすがに2年目ともなると、我慢の限界?!

というより、色々な意味で各自がどう振舞えば良いのかという判断ができるようになったのだと思います。


実際に私の周囲でも、昨年は日本への一時帰国を自粛した人たちも、今年はある程度の様子が分かってきた…ということで帰国した人もいました。ただ、日本の感染状況や、それに伴った水際対策の厳しさから、2年続けて帰国を断念した人も少なくありません。


コロナ禍での2年目の夏が昨年と大きく違うのは、欧州では早い段階でワクチン接種が進み、それを活用した『ワクチンパスポート』が導入されたことです。これによって、欧州内(EU加盟国間)の行き来が自由(出入国時の隔離の免除等)にできるようになったため、国内だけでなく国境を越えて旅行やバカンスへ出かける人が増えたのです。


<ヴァカンスの定義>

~ここで余談ですが、ウィキペディアによる概説をご紹介します~

<バカンスまたはヴァカンス(仏: vacances)は、主としてフランス人の長期休暇の過ごし方、もしくはそれを意識した長期休暇の呼称。フランスの法律では、休暇は連続5週間まで取得可能となっている。夏季には企業経営者から労働者(従業員)まで、数週間のヴァカンスを、子供たちも2ヶ月間のヴァカンスをとり、思い思いの過ごし方で楽しむ。フランス人にとっては「人間が元気に生きていくため必要なもの」となっている。一般的なスタイルのひとつは、(日本で一般的な短期周遊型の休暇と異なり)夏季に連続1ヶ月ほどにわたる長期滞在型休暇を過ごす、というものである。>


ということで、日本語でも一般的になってきている『バカンス』という呼称もフランス語から来ています。イタリア語ではヴァカンツァ(vacanza)、英語ではヴァケーション(vacation)ですよね。

ここイタリアでも、夏休みは短くて2週間~ミラノのような商業都市では、レストランや商店も大半が休みを取ります。『ミラノのバカンス』については以前にも記事を書いているので、良かったら参照して下さい👆


<夏休みに視察旅行へ>

かくいう私も、8月後半に10日間ほど、2年ぶりの夏休みということで、スペインのバスク地方へ旅行してきました。


実は、昨年の5月に<バスク中心のスペインツアー>を企画していたのですが、コロナの影響で無期延期となってしまいました。でも、お客様からは「コロナが終息したら是非あらためて計画したい」とのお言葉を頂いています。


そこで、日本から安心して渡航して頂けるようになった時に、この機会に最新の情報収集をしておけば、よりスムーズなご案内ができるのでは…と思い、それとなく夫に打診したところ、話がトントンと決まって~視察も兼ねての夏休み~ということで、私的には一石二鳥でした😊


そして、現状まだEU圏外からの渡航は難しいので、今のうちなら観光地でも比較的に空いているのでは?と思っていたのですが、実際に行ってみると、予想以上に国内外からのツーリストが多くてどこも賑わっていました。


<出入国の準備>

さて、「本当にワクチンパスポートさえあれば、自由に欧州内を移動できるのか?」というと、実のところは目的地によって準備するものが異なるのが現状です。


実際に、夏休みシーズンが始まってニュースで取り上げられていたのは、空港へ行ってチェックインをしようとしたら、必要な書類を事前に用意していなかったために、搭乗手続きができずに出発できなかった人が続出したというものでした。


つまり、旅行しようとする人は自分で情報をチェックして準備をしなければならない訳です。これまでEU市民は、自身の身分証明書(ID)さえあれば、パスポート無しでEU圏内を行き来できたので、うっかり見落としてしまいがちな盲点だったのでしょう。


このコロナ禍では、各国が独自の規定を定めているので、たとえ共通化された『EUデジタルCOVID証明書』(いわゆるワクチンパスポート)を持っていても、それだけでは要件を満たさない渡航先もあるのです!


スペインも例外ではなく、フライト前48時間以内に独自の手続きが必要でした。そこでは、飛行機の座席番号や到着後のホテル情報などを入力し、かつワクチンパスポートを所持している(QRコード読み込ませる)必要がありました。そうすることで、スペイン独自のQRコードを取得でき、これが出発空港でのチェックイン時と現地空港に到着時にチェックされました。


※スペインへ行く予定のある方、詳細はこちらのサイト(英語)☜をご覧下さい。


※今後イタリアから国外へ行く予定の方、国ごとに細かい規定があるので、事前に充分な情報の確認が必要です。参考までに、こちらのサイト(伊語)☜を載せておきますね。


出発するまでの前置きで、だいぶ長くなってしまったので、実際のバカンス先でのお話については、<後編>でご紹介させて頂きたいと思います。



<イタリアの感染状況の推移>

では、イタリアのその後の感染状況の推移について見てみましょう。(この記事は執筆時9月7日現在の情報を基に書いています)


この3週間の推移を1日の増加数週ごとの平均値で見てみましょう。

1週間のトータル数ではなく、一日あたりの平均数となります。 

《2021年》

   * 8/13- 8/19 感染者数: 6,225 死者数: 43 回復者数: 4,866

   * 8/20- 8/26 感染者数: 6,515 死者数: 46 回復者数: 5,533

   * 8/27- 9/ 2 感染者数: 6,233 死者数: 56 回復者数: 6,199


ここのところ、ずーっとこんな感じです。爆発的に増えもしなければ、減りもせず。。。むしろ気になるのは、ワクチン接種が進んでいるにも拘わらず、一定の死者数がいて微増傾向にあること。そして、ワクチンのなかった一年前の夏の方が遥かに感染者数も死者数も少なかったという事実です。


ただ、回復者数も一定数コンスタントにいるのは、病床が逼迫していないことと、治療薬や治療のノウハウが定着していることを示しているので、その点では安心できます。


参考までに、下が一年前のちょうど今頃の3週間の推移になります。

《2020年》

   *8/14-8/20 感染者数: 555 死者数: 27 回復者数: 245  

   *8/21-8/27 感染者数: 997 死者数: 6 回復者数: 267

   *8/28-9/ 3 感染者数:1,281 死者数: 6 回復者数: 277


ちなみに、一年前のこの頃は、このまま死者数がゼロになるのを期待していたのですが、この後に秋の感染爆発が起こってしまいました。。。


さて、先週(8月30日)から、ワクチン接種完了率が最も低く、観光客も多かったシチリア州は、2ヶ月ぶりにイエローゾーンとなりました。

イタリアでは6月末から、全国がホワイトゾーン(事実上の規制解除)という状態が続いていたのですが、シチリア州では、8月20日から26日の1週間の新規感染者が住民10万人あたり200.7人となり(指標は50人以上)、集中治療室の病床使用率が12%(指標は10%以上)、その他の病床使用率が19.4%(指標は15%以上)となったため、イエローゾーンとなり、さらには、オレンジゾーンとなる可能性が高いと言われています。


イタリア国内でのグリーンパスが義務化され、ちょうど1ヶ月程が経過しました。今ではパスがないと、レストランでの店内飲食や美術館などへ入れません。

そして、9月1日からは長距離移動の鉄道・バスや船、飛行機などの利用に際しても、グリーンパスが必須となりました。

他にも、学校の教職員や大学生にもグリーンパスが義務化されたのですが、「学校が始まる前にワクチンを打ちたい、もうオンライン授業はいやだ!」と、12歳から17歳の子どもたちへのワクチン接種もどんどん進んでいるそうです。もちろん未成年者は親の承諾がなければ接種はできません(イタリアでは18歳以上が成人です)。


<まとめ>

日本では、またまた緊急事態宣言が延長されるそうですが、ようやくここにきて、ワクチン接種者の行動制限を緩和するという話が出ているとか。。。

感染拡大を抑制しつつ経済活動を円滑化させるには、国家主導でシステム構築を急ぐ必要があるのに~政治家たちの関心事には国民は不在なのでしょうか?



PS:インスタグラムでは、バカンス先の美しい風景をアップしています!

この機会にぜひフォローして頂けたら嬉しいです🥰







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