top of page

9月に入る直前から、朝晩はめっきり涼しくなったミラノ~三年ぶりにイタリアでひと夏を過ごしてみて、ミラノの夏は過ごしやすい!と改めて実感~今のところ、残暑も暑さのぶり返しもなく、早々に衣替えをしなくてはと思っている今日この頃です。


今年は、「コロナの影響」で夏休みはどこへも行かなかったという方も少なくなかったのではないかと思いますが、我が家も当初の予定では、8月に一時帰国をして、恒例になりつつあった日本の家族との国内旅行をするつもりでした。


昨年の11月に全日空より発表があった、今年の4月からの東京~ミラノ路線の新規就航。

10年前に日本航空がイタリア(成田~ローマ/成田~ミラノ線とも)から撤退して以降、日本との直行便がアリタリア航空のみとなってしまっていたため、ミラノ在住の日本人が待ちに待った嬉しいニュースでした。


私自身は、基本的に乗継ぎが苦にならないので、直行便で(サービスの悪い)アリタリアに乗るくらいなら、乗り継いでも(サービスの良い)全日空を利用することが多かったのですが、主人が直航便支持者なので、いつも別ルートで行き来していました。でも、今年の夏は共に全日空の直行便が利用できるのを楽しみにしていたのです。

そして、今年の1月後半になって、ようやくこの路線のチケット予約が可能になって早々に、8月の航空券を予約していました。


ところが、コロナ騒動が始まって、この路線の就航そのものが見送られたのはもちろんのこと、他の定期便路線についても、次々と減便や運航中止となってしまいました。


前回のブログにも書いたように、日本政府が取った水際対策では、日本人の入国は認められるものの、当時は配偶者であっても外国人の入国は許可されていなかったため、この夏に揃っての渡航は厳しかったことに加え、イタリアの家族との兼ね合いなどもあり、予約していたチケットを泣く泣くキャンセルした訳です。


【上空から見たコモ湖】


さて、前置きが長くなりましたが、今回のテーマ「在外日本人の状況」について、私の知る範囲で一部をお伝えできたらと思います。


外務省調べでは、2018年10月現在の在留邦人(長期滞在者+永住者)数は、約139万人で、年々増加しています。地域別では、「北米」が在留邦人全体の約37%(約52万人)を占め、次いで、「アジア」約29%(約40人)、「西欧」約16%(約22万人)の順と

なり、これら3地域で全体の約82%を占めています。


国別では、アメリカ(約45万人)、中国(約12万人)、オーストラリア(約9.8万人)がトップ3で、イタリアは18位(約1.5万人)にランキングしています。ヨーロッパの中では、英国(約6万人で6位)、ドイツ(約4.5万人で8位)、フランス(約4.4万人で9位)に次いで4番目です。


都市別では、ロスアンゼルス(約6.9万人)、バンコク(約5.5万人)、ニューヨーク(約4.8万人)が世界のトップ3で、ヨーロッパの上位は、ロンドン(約3万人)が7位、パリ(1.6万人)が13位、デュッセルドルフ(約8,500人)が27位、ミュンヘン(約4,900人)が38位、ベルリン(約3,700人)が44位、次いで、私の住むミラノ(約3,400人)が49位にランキングしていました。

イギリスやフランスと違い、イタリアでは首都のローマよりも、商業の中心地ミラノの方が、駐在員が多いこともあり、在留邦人がたくさんいるのです。


グローバルな国際化に伴って、海外で暮らす日本人も増えている訳ですが、その内訳も様々です。先に挙げた「駐在」という形のビジネスの他、現地法人で就職している人、自分で起業している人、「留学」して何かを学んでいる人、「国際ボランティア」で滞在している人、そして、私のように「国際結婚」して滞在している人…等々。


中には、本当の意味で「永住」して、母国とは縁が切れてしまい、一時帰国をすることもないという方もいるようですが、大方の人は頻度に差はあれど、日本と海外を行き来しています。


私の周りにも、今回のコロナ問題で、予定していた渡航をキャンセルした人や、夏休みの一時帰国を諦めた人がたくさんいます。

一つには、予約便が運航しなくなってしまい、他の便に振り替えたら、その便もキャンセルになって…という繰り返しで、面倒になってしまったというケース。あるいは、自分が里帰りすることで、万が一高齢の親御さんに感染させてしまってはいけないと遠慮したケース。また、帰国後に14日間の自主隔離期間があり、イタリアに戻ってからも更に14日間の隔離をしなくてはならないので、合わせて4週間になり、それでは休暇が足りないから無理というケース。


逆に、コロナのせいで仕事がまったく無くなってしまったので、イタリアにいてもやることがないからと帰国した人や、会社の方針で引き上げることになったという人もいました。いずれの場合も、予約便が何度もキャンセルになったり、やむを得ず何ヵ所も経由をしなければならなかった...という苦労話も耳に入ってきました。


かくいう私は、家庭の事情(7月末に母親が入院)で帰国しなくてはならなくなり、来週末の便で出発することになりました。現在もある意味「鎖国中」の日本へは、限られた路線しか飛んでいないため、予約した便も2回キャンセルに遭い、機材変更やスケジュール変更もありましたが、なんとか無事に辿り着けることを願うばかりです。


さて、ロックダウンで運航停止となっていた直航便のアリタリアは、8月から日本線を再開すると言って、その時期を延ばし続け、一方で予約を受けておきながら、結局すべてキャンセルした末に、ミラノ~東京便は来年の3月いっぱい運航しないと発表。ローマ~東京便は10月から運航する予定にはなっていますが、それもどうなることやら。。。


名指しで申し訳ないけれど、今回のコロナ禍でのトラブル対応でも、アリタリアと全日空のサービスの違いが浮き彫りとなったことは、身をもって実感しました(苦笑)



<イタリアの感染状況の推移>

では引き続き、イタリアの状況レポートです。(この記事は執筆時9月8日の現地15時現在の情報を基に書いています)


過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。


   *8/14-8/20 感染者数: 555 死者数: 27 回復者数: 245  

   *8/21-8/27 感染者数: 997 死者数: 6 回復者数: 267

   *8/28-9/ 3 感染者数:1,281 死者数: 6 回復者数: 277


引き続き、夏休みが明けてバカンス先から戻った人たちの間で新規陽性者が増えていて、2週間で倍増しているのが分かります。死者数は初期に比べればそれほど多くないものの、回復者数も一定に留まっていて、現状の陽性者数がじわじわと増加~7月末に落ち着いてきた時は、1万2千人台まで減少していたのが、1ヶ月強で3万人台に戻っています。


イタリアの今日現在の累計感染者数は、約27万8千人で世界19位~この半年間で世界中に広まった新型コロナウィルスは、今も収束するどころか感染者も死者も増え続けています。ヨーロッパでは、スペイン、フランス、英国に次ぐ4番目。

死者数に関しては、今日現在で約3万5千人と、こちらは世界で6位(ヨーロッパでは英国に次いで2番目)の数字です。


いよいよ来週から新学期がスタートします。イタリアの学校は、2月末に全国で休校となって以来、オンラインでの授業はあったものの、登校することなくそのまま夏休みに突入したので、生徒や学生にとっては約7か月ぶりの学校となるのですね!



追伸:日本に帰国後は、諸々の手続きや片づけや今後の準備等で忙しくなりそうなので、このブログも暫く更新できないかも知れませんが、このレポートは継続したいと思っていますので、再開できる日をお待ち頂けたら嬉しいです。



このブログで、新型コロナウィルスに関連する記事を投稿し始めて、半年が経とうとしています。

この間に世界中の多くの「イベント」~オリンピックを始めとした国際的なスポーツ大会や国際展示会、国際フェスティバル...だけにとどまらず、各国の国内行事の多くが延期や中止となってしまいました。

もちろん、各個人が計画していた旅行などのプライベートな予定等も、このイベントに含まれる訳です。


全世界で、未だに収束の兆しが見えないこの”未知のウィルス”のせいで、世界中の人々の予定が「大なり小なり」狂ってしまっているのです。


そんな中、今回はずっと気になっていた「在日外国人への日本政府の対応」について、特筆したいと思います。日本では、在日外国人と関わりのある人以外は、意外と知られていないニュースのようです。


政府は、新型コロナウイルスの水際対策として、現在146の国と地域の外国人の入国を拒否しているほか、永住者や留学生などの在留資格がある外国人についても、一部を除いて、「特段の事情」がなく日本から出国した場合は、再入国を認めていません。

現在、日本に住む外国人は約293万人(うち、在留資格がある人は260万人)といわれていますが、事情があって一度出国した人は、日本に戻れないまま先行きが見えない状況が長らく続いていたのです。


当然ながら、彼らはSNSなどで自分が置かれた現状や窮状について、悲鳴を上げつつ訴え続けていました。ところが、日本のメディアはこれらをあまり大事として取り上げてこなかったのです。

以下に、一部ですが私が目にしたいくつかの記事を列挙してリンクを貼っていきます。

(下線部をクリック👆すると新しいタブで記事が開きます)


※6月8日付 朝日新聞デジタル 社説 <コロナ水際対策「外国人」差別の理不尽


※7月10日付 NHK国際報道ニュース 特集 <再入国拒否 日本に戻れない外国人


※7月17日付 NEWSWEEK日本版 コラム <日本政府のコロナ「鎖国」は在住外国人への露骨な差別では?


※7月29日付 時事ドットコム ニュース <在留外国人の再入国、8月5日に緩和


上記の流れからも分かるように、7月末になって、ようやく政府が緩和措置を取り始めたため、まずはコロナ騒動前に日本を出発したきり、実に数ヶ月に渡って戻って来られなかった在日外国人が、諸々の手続きを進めて再入国ができるようになりました。


また、この頃から感染状況の落ち着いている一部の国については、ビジネス上の往来を認めるようになりました。


以下は、8月12日現在として外務省(出入国在留管理庁)より発表されている概要です。


この中にある「特段の事情」についても、最近までは具体的な事例の記述がなかったため、生活のベースを日本に置いている在日外国人の多くは、再入国が認められないことを懸念して、気軽に母国へ帰ること(=一時帰国)ができなかったと証言しています。


現在は、外務省のホームページ上に、親族の葬儀や出産のため等の事例を記しています。


政府はその後、さらに緩和の枠を広げ、来月からは「特段の事情」がなくても再入国を認める方針であることを発表しています。


※8月21日付 NHK政治マガジン 特集記事 <在留資格のある外国人 再入国制限緩和へ


次回は、私のような「在外日本人の状況」についてお伝えしたいと思っています。



<イタリアの状況の推移>

では引き続き、イタリアの状況レポートです。(この記事は執筆時8月25日の現地12時現在の情報を基に書いています)


過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。


   *7/31-8/06 感染者数: 292 死者数: 8 回復者数: 218

   *8/07-8/13 感染者数: 433 死者数: 6 回復者数: 190

   *8/14-8/20 感染者数: 555 死者数: 27 回復者数: 245  


ずーーーっと恐れていた事態=「イタリアにも第2波」が来ている予感です💦

8月の2週目に入ってから、約2か月ぶりに500人台に乗ってきたと思ったら、22日にはロックダウン解除後初めて、実に3ヵ月ぶりに1,000人の大台に達してしまい、翌23日には1,200人を超えました!


夏のバカンスシーズンもピークを迎え、若年層を中心とした新規感染者の拡大を受けて、8月17日から全国のナイトクラブやディスコを閉鎖。また、夜間は屋外でもマスクの着用を義務化するなど、再規制に踏み切りました。


スペランツァ保健相は自身のフェイスブックに、「過去数カ月に払った犠牲を無にするわけにはいかない。われわれの最優先課題は、9月に、完全に安全な状態で学校を再開することでなければならない」と投稿しました。

同相は若者に対し、「親や祖父母を感染させるとの想定で」可能なかぎり慎重をきすよう求め、「現実に被害が生じる危険がある」と訴えました。


しかしながら、バカンス先の内外のリゾート地からUターンする人を中心に、ローマやミラノなどの大都市での感染者が急増し始めているのです!!




イタリア北西部リグーリア州の州都ジェノヴァで、高速道路の高架橋が崩落して43人が死亡した事故から2年。。。新しい橋の開通(落成)式が8月3日に行われました。


式典には、マッタレッラ大統領をはじめ、コンテ首相とその他の閣僚や関係者が出席し、その中で43人の犠牲者の名前が読み上げられました。

【高架橋の上で行なわれた落成式と取材に来た大勢の報道陣】


この事故は2018年8月14日、高速道路の高架橋が突然200メートルにわたって崩れ落ち、当時、橋の上を走行していた車やトラック35台ほどが落下して、合わせて43人が死亡したものです。

事故原因はいまだはっきりしていません(当日は激しい雷雨で、落雷が原因とする説も)が、橋の整備不良や構造上の欠陥などが指摘されていて、現地メディアによると高速道路の運営会社と抗争中の遺族らは、開通式に出席しませんでした。


下の写真が、崩落個所の写真です。上の写真と見比べると、落成式が行われたのが、まさに崩落現場の真上であることが分かります。

【二年前の崩落時の様子】


この橋は、1963年に着工され1967年9月4日に開通した半世紀前のもので、設計者の名前を取って「モランディ橋」と呼ばれていました。10年程前から老朽化が指摘され始め、交通量の多さなどもあって改修が必要とされ、大規模な調査と改修の計画が立案されることになっていたのですが、それが実現するよりも先に、2018年8月の崩落事故が起きてしまったという訳です。位置的には、ジェノヴァ港とジェノヴァ空港の中間辺りです。


その年の12月には、地元ジェノヴァ出身の建築家レンゾ・ピアノ<Renzo Piano>氏が設計する新しい橋を建設する事が発表されました。

ピアノ氏は、パリのポンピドゥーセンターの設計で国際舞台に衝撃を与え、イタリア国内のみならず、欧州やアメリカで活躍してきた世界的建築家で、数々の国際賞も受賞しています。日本では、関西国際空港ターミナルビルの設計者として知られ、銀座にあるメゾン・エルメスも彼の作品です。

(※日本ではレンゾの表記が多いが、イタリア語の発音だとレンツォが近い)

【落成式でスピーチするレンツォ・ピアノ氏】


今年で83歳になられるピアノ氏は、ご覧のように今も現役~この橋の設計に関しては、地元ジェノヴァのためにと、無償で貢献されたそうです!


2019年6月には、残っていた部分が爆破撤去され、架橋工事を開始。2020年4月に架橋が完了して、このコロナ禍の大変な時期にも新たな橋の建設が進められていました。


何事においても、なかなか予定通りに事が運ばないイタリアでは、例えそれが公共事業であっても、工期が遅れるのは当たり前!

それが、たった一年余りで1000メートル超の高架橋を完成させたというのですから、驚異的なことです。(イタリア人もその気になればできることが証明された...笑!)

【テープカットするコンテ首相(中央),リグーリア州知事(左),ジェノヴァ市長(右)】


当日、開通式の模様がライブ中継されていたので、私もテレビで見ていたのですが、このテープカットの前には、ジェノヴァ大司教(写真で州知事の後方にいる十字架のペンダントをかけた方)による祈祷が行われました。日本で、建築や工事をする前に行なう「地鎮祭」に相当する感じでしょうか。


この新しい橋は、街の象徴ともいえる聖人の名前にちなみ「サン・ジョルジョ橋」と名付けられました。


そして、テープカットが済むと、お馴染み(こちらのブログでも何度か登場)”フレッチェ・トリコローリ”(イタリア空軍アクロバット飛行隊)が現れ、橋の上を飛んでジェノヴァ港へ向かい、また折り返して行きました。

【イタリアの国家的セレモニーには欠かせないフレッチェ・トリコローリ】


当日はミラノでも雨模様だったのですが、現場の中継を見ていても傘をさしている姿が見られました。ところが、テープカットの頃には青空になってきて、なんと上空には虹が見られたとか!!


翌日のネットニュースでは、まさに新しい橋の上に「虹の架け橋」が架かっている写真がたくさんアップされていました。

【生まれ変わった橋に架かる虹】


不運にも、事故に巻き込まれてしまった被害者やその遺族の方には、改めて追悼の念を抱かずにはいられませんが、このような事故が二度と起きないように、イタリア中のインフラ整備を見直して、対応してくれることを切に願います。



<イタリアの状況の推移>

では引き続き、イタリアの状況レポートです。(この記事は執筆時8月7日の現地10時現在の情報を基に書いています)


過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。


   *7/17-7/23 感染者数: 229 死者数: 11 回復者数: 229

   *7/24-7/30 感染者数: 260 死者数: 6 回復者数: 279  

   *7/31-8/06 感染者数: 292 死者数: 8 回復者数: 218


ここのところ、200人前後で推移していた新規感染者が、今週は300人を超える日も何日かあり、昨日ついに、1か月半ぶりに400人を超えてしまいました。

ただ、これまで最も感染者数の多い(私の住む)ミラノ県では、ここのところ20人前後で推移しているので、ある意味で危機感は少ないのですが。。。もし、バカンスで海や山で過ごしているミラネーゼや、夏休みで里帰りしているミラノ在住の若者が、地方に広めているのだとしたら、安心もしていられません💦


引き続き、マスク着用とキープディタンス、外から帰ったら手洗い&うがいを怠らず、熱中症にも気をつけて、この夏を乗り切りましょう!



注:上記掲載の写真はネットニュースよりお借りしたものです。



bottom of page