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ミラノサローネって何?

  • 執筆者の写真: 舞緒ルイ
    舞緒ルイ
  • 2017年4月13日
  • 読了時間: 5分

先週の火曜~日曜日まで、ここミラノで行われていた『ミラノ・サローネ』~毎年4月に開催される世界最大規模の家具見本市の総称で、正式にはサローネ・デル・モービレ・ミラノ<SALONE DEL MOBILE.Milano> /ミラノサローネ国際家具見本市という名称です。国際見本市となってから50年の歴史を持つ世界的にも有名な見本市・イベントとなっていてます。

「国際家具見本市」そのものはミラノ郊外にある国際展示場(ロー・フィエラ・ミラノ)で開催され、家具だけでなく「インテリア小物見本市」も併催され、また奇数年には「照明見本市」と「オフィス見本市」が、偶数年には「キッチン見本市」と「バスルーム見本市」が隔年で併催されます。

この国際展示場で行われる見本市の方は、主に業界関係者が対象となり、入場するためにはチケットも必要になりますが、この期間中はミラノ市内の各所でもメーカー企業やデザイナーによる展示会や展覧会等が行われ、こちらは一般の人が自由に見学することが可能となっていて、「フオーリ・サローネ<Fuori Salone>(サローネの外)」と呼ばれます。

前者の見本市は、製品を披露して注文を取ることにフォーカスしているのに対し、後者はミラノ市内の自主的なイベントで、一般の人が楽しめて新しい体験や新鮮な印象を得られるものが多かったり、内容やプレゼンテーション方法に思い切った企画も多く、先端技術や映像、音響、さらには味覚などを統合した人目をひく展示方法や展示作品が潮流の一つとなっています。毎年、世界中から自社のブランドの名前をかけた様々な展示が行われ、話題となることを競っているようです。

このデザインの祭典が行われる期間は『ミラノ・デザイン・ウィーク』とも呼ばれ、『ミラノ・ファッション・ウィーク』(通称ミラノ・コレクション)と並ぶ最重要のイベントです。

土曜日に(混雑を承知で)このフオーリ・サローネの一画である「ブレラ地区」を覗いてきたので、そのほんの一部を何枚かの写真でご紹介したいと思います。

ブレラ地区はミラノを代表するブレラ美術館がある界隈で、日頃からお洒落なブティックやギャラリーが並んでいます。普段でも一部は車両進入禁止のエリアなのですが、もちろん写真のような巨大な椅子は置いてありません(笑)

このソファー、不思議な素材でできていて実際に座ってみると座り心地が良いんですよね~紐で繋がれた鉄の玉(スポンジのように弾力性あり)に足を乗せられるデザインで、通りの何カ所かに設置されていて、皆が交互に座って写真撮影をしていました。

近くには大道芸人?も出ていたり、土曜のお昼過ぎということもあって想像通りの人出で賑わっていました。

これは先程のソファーと同じデザインなんですが、統一性のない衣類が貼り付けられています。。。うーん、アートって難しい!

そして、ブレラ美術館の中も会場になっていたので立ち寄ってみました。建物中庭の回廊部分にも色々なオブジェが展示されていました。

展示室の中を覗くと様々な趣向を凝らしたものが置いてあり、例えば写真のように砂が敷き詰められ砂浜にビーチ・チェアが並べられ、奥にはバーカウンターがあります。この砂は一体どこから運んできたんでしょうね~

多くの日本企業や日本人デザイナーが毎年このミラノ・デザイン・ウィークに出展や協賛という形で参加しているのですが、このブレラ美術館内ではパナソニックのロゴを見かけたので行ってみると、一番大きなメインの展示室では入場するのに長蛇の列ができていて、40-50分待ちとのことでした!そんな忍耐はなかったので残念ながら見学はできませんでしたが、どんな展示だったのか気になってあとで調べてみると、「京都の伝統工芸を受け継ぐ若手ユニットとパナソニックデザインとのコラボレーションによる新しいクラフト家電プロトタイプの出展~日本のエレクトロニクスと伝統工芸の高い技術力と美意識を発信」とありました。

ちょうどお天気も良く爽やかな陽気だったので行列をパスして裏庭の植物園の方へ出てみることに。。。すると、植物園の方にもご覧のようにガラスのオブジェが展示されていました!

春のお花が咲き乱れていて、最近すっかりはまっている’インスタグラム’用の写真がたくさん撮れました(笑)人混みを歩いた後だったし、思わぬ森林浴ができて本当に気持ち良かったです!

フオーリ・サローネは、このブレラ地区以外にも主な会場が何ヶ所かあって、とても一日では周り切れません。面白いのは、ミラノ市内のありとあらゆる場所がイべント会場と化すことで、美術館だけではなく、劇場だったり、ショップだったり、ガレージだったり、倉庫だったり。。。と思いがけない場所が素晴らしいイべント会場になります。出展する側は場所選びも表現の一つという訳です。

もちろん奇をてらったものばかりではなく、写真のように陶器やガラス製品など普通の展示物もあります。

いかがでしたか?ミラノサローネについて、少し雰囲気を味わって頂けたでしょうか?

ぜひ多くの旅行者の皆さんにもミラノ・デザイン・ウィークを体感して頂きたいのですが、現実的な問題が一つ。。。ミラノ市内は世界中から集まる多くの出展者や業界関係者、プレス関係者で溢れるため、ホテルの料金が高騰するばかりでなく、例え通常より高いお金を出しても予約が取れないのです。そのため、ミラノ以外の近郊都市に宿を取らざるを得ない人たちもいるほどです。

ミラノへの旅行を計画している方は、事前にイベント・カレンダーをチェックして、ファッション・ウィークとデザイン・ウィークは避けられるのが賢明かも知れません(^^;)

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