マロニエの季節
- 舞緒ルイ
- 2017年5月4日
- 読了時間: 2分
もう5月だというのに、ここミラノは4月後半からの寒の戻りで、朝晩は暖房を入れる日もあるくらいです~(>_<) こうなると、4月前半までの春の暖かい陽気が恋しくて。。。、せめてブログではお花の話題をアップしようと思います。
毎年この季節になると、ヨーロッパのあちこちで目にするのがマロニエの花です。今年は3月後半から例年になく暖かい日が続いたおかげで、ミラノ市内では全体に開花が2週間ほど早かったため、従来5月に満開を迎えるマロニエも実際はすっかり終わっているのですが。。。
(ですので、アップしている写真はすべて4月中旬に撮影したのものです)

私が20年前にツアーコンダクターとしてヨーロッパを周遊していた頃、ご年配のお客様にこの花の名前を尋ねられ、「マロニエですよ、和名だと西洋トチノキです。」というと、「ああ、栃餅のあれね。。。」といった反応が返ってくることが多かったのを覚えています。

ヨーロッパでは、街路樹としても人気があり、また広場や公園などでよく見かけます。トチノキ科の落葉高木で、成長すると30メートル前後に達するのですが、たまにまだ若木の小さなものも見かけ、それでも立派な花をつけているのに驚かされます。また、全体に白い花が多い中でたまにピンクも見かけます。

マロニエ(Marronnier)という名前はフランス語から来ているのですが、英語名はホース・チェスナッツ(Horse-chestnut)で、この直訳で馬栗と呼ばれることもあるらしく、どうやらクリの仲間であるという誤解と、馬の胸部疾患の治療に用いられたことに由来するようです。 実際、栃(橡)の実は栗の実にそっくりで、あく抜きして澱粉を採り、栃餅や栃粥などが作られているそうです。

白やピンクの小さな花が円錐状に形成される様が特徴的で、大木にいっぱいに花を付ける華やかな感じが個人的にも好きなのですが、前述のエピソードからも、この花が咲き始めると、当時ヨーロッパ中をアテンドしていた頃が懐かしく思い出されます。

余談ですが、オランダのアムステルダムにある観光名所「アンネ・フランクの家」(現博物館)の裏庭にもこのマロニエの木があるのですが、『アンネの日記』の中で、アンネは2年1ヶ月の隠れ家生活の中で、屋根裏の窓から見えたマロニエの木の葉や花を見ることで、自然を感じ、平和への憧れを抱き続けたと言及されていて、オランダでは「アンネの木」とも呼ばれているそうです。
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