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コロナ禍の渡航レポート

  • 執筆者の写真: 舞緒ルイ
    舞緒ルイ
  • 2020年10月9日
  • 読了時間: 5分

更新日:2020年11月6日

前回の投稿から1ヶ月、一時帰国のためにミラノを出発して20日が経過しました。

今回は、その帰国時の渡航の様子をレポートしたいと思います。


帰国のフライトは、ミラノ・リナーテ空港を出発し、ドイツのフランクフルトで乗継いで、東京・羽田空港へ向かうルート...フランクフルト空港までは、ルフトハンザ航空の子会社「エアー・ドロミティ」による運航でした。

このイタリア~ドイツ間の欧州線に関しては、2x2席の小さな飛行機で、搭乗率はざっと九割強だったでしょうか。隣も前後も埋まっていたので、N95マスクをしているとはいえ緊張感があったのですが、隣り合せたのはイタリア人のイケメン高校生!

これから交換留学でスウェーデンに行くという前途洋々な若者との楽しいおしゃべりで、1時間のフライトもあっという間でした(笑)

また、短い飛行時間の割りには、小さなペットボトルのお水の他に、ドリンクとスナックが提供され、コロナ禍でも思っていた以上のサービスに少し安堵しました。

【エアー・ドロミティの機内サービス】


イタリアとドイツはシェンゲン協定が結ばれているので、フランクフルト空港でパスポートコントロールを受けることになります。

こういう時期の渡航なので、旅行目的など色々と質問されるかも知れないと予測していたのですが、パスポートと一緒にイタリアの滞在許可証を提示すると、あっさりと通してくれました。そして、次の搭乗口へ向かって空港内を移動していると。。。

【乗継のフランクフルト空港の様子】


ご覧のように、ブルガリ、フェラガモ、ロエベなど、空港内に店を構える高級ブランド店は、軒並みシャッターを下ろしています。

それどころか、いわゆる免税店=デューティー・フリー・ショップまでクローズしているではないですか!


さらには、旅行者が買物をした際に申請する免税払戻し手続きのオフィスまで完全に閉じている状態。。。たしかに、このご時世でEU圏外からのツーリストがほとんど来ていない状況では仕方ないのでしょう。想像してはいたものの、過去に見たことのない光景=閑散としたフランクフルト空港の様子に愕然としました。

【免税店も免税手続きオフィスも閉鎖中】


そんな様子をスマホで撮影しながら搭乗口付近に着くと、すでに待機している乗客たちがいました。マスク着用はもちろんのこと、なかにはフェイスシールドをしている親子連れも見かけました。

【搭乗口付近の様子】


東京行きの全日空のフライトは予想通り空いていて、実際に一人当たり3席を使うことができました。自然とソーシャルディスタンスが取れている感じで、約12時間のフライト中ゆったりと過ごすことができました。


機内では、厚生労働省・空港検疫所からのお知らせとお願い等が書かれた印刷物が配布され、羽田空港での検疫手順や帰国後14日間の自主隔離期間について説明されていました。

到着前に書類の必要事項を記入し、降機すると係員の誘導に従って、書類確認→検体採取(唾液によるPCR検査)→書類審査と進み、検査結果が出るまで待機するところへと移動します。結果が出るまで2時間前後という案内でしたが、同じ時間帯に他の到着便がなかったためか、思いのほか早く1時間程で結果が出ました。

【検査結果が出ると渡される紙】


結果は陰性(-)ということでシールを貼られ、渡されたピンクの紙を持って入国審査へと進みます。


バゲージエリアに出ると、スーツケースはすでに地上スタッフがピックアップしてカートに載せてくれていて、それを押して通関するのみとなっていました。そして、荷物のタグのところには写真のメモがホチキス止めされていたのです。

【ANA地上スタッフからの手書きのメモ】


長旅で早朝に到着した後に検査と待機があり、時差と疲れで朦朧としていたのですが、こんな手書きの温かいメッセージを見て、ほっこりした気持ちになりました。こんな大変な時期だからこそ、心に響く嬉しい気配りですよね。


指定地域からの入国者は、14日間は公共の交通機関を利用できないため、空港から自宅まではレンタカー、ハイヤー、家族の迎えのいずれかの方法を事前に手配する必要があります。


私も無事に14日間の自主隔離期間が経過しましたが、この間に母親の手術も無事に済んで、ようやく落ち着いて渡航の時の様子をご報告することができました。


(※この検疫の手段や手順、また、入国後の規定については、日本の感染状況や政府の方針等で今後は変更されることもあるかと思います。)



<イタリアの感染状況の推移>

では1ヶ月ぶりに、イタリアの状況レポートです。(この記事は執筆時10月9日の現地16時現在の情報を基に書いています)


過去6週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。


   * 8/28- 9/ 3 感染者数:1,281 死者数: 6 回復者数: 277

   * 9/ 4- 9/10 感染者数:1,468 死者数: 11 回復者数: 485  

   * 9/11- 9/17 感染者数:1,407 死者数: 10 回復者数: 581

   * 9/18- 9/24 感染者数:1,614 死者数: 18 回復者数: 714  

   * 9/25-10/ 1 感染者数:1,870 死者数: 20 回復者数:1,018

   *10/ 2-10/ 8 感染者数:2,999 死者数: 24 回復者数:1,074


夏休みが終わり、9月中旬に学校の新学年がスタート(ロックダウン後7ヵ月ぶりの再開)して、間もなく一ヶ月が経過します。

こちらのブログでレポートしてきたように、7月中は平均して1日200人前後だった新規感染者数が、8月には500人台と増え始め、上の推移からも見て取れるように、8月末~9月末までの平均は1,500人前後で推移してきました。


ところが、10月に入って4月以来はじめて2,000人を上回り、6日連続で2,000人超えが続いたため、7日には新たな緊急政令が閣議決定され、コンテ首相が会見を開きました。

それによると、何度か繰り返し延長されてきている「緊急事態宣言」が、2021年1月31日までとなりました。


また、屋外等でのマスク着用が8日から改めて義務化されました(詳細は以下の通り)。

【屋外】継続して(同居者ではない)他人から隔離された状態が保障される場合を除き、屋外のあらゆる場所でマスクの着用が義務づけられる。

【屋内】私的住居を除く屋内のあらゆる場所でもマスクの着用が義務となる。一人であるいは同居者と自家用車で移動する場合、着用は義務づけられないが、タクシーや同居者でない友人等と自家用車で移動する場合はマスクの着用が義務づけられる。

【例外】スポーツ活動中、6歳以下の子供、マスク着用に適さない疾患や障害を持つ者

【罰金】罰金は400ユーロから1,000ユーロ


この政令が決定された7日には3,677人、そして昨日は4,458人と急増し始めている状況に、心穏やかではいられない日本滞在となっています。



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