ミラネーゼも大パニック!迫りくるコロナの脅威!!
- 舞緒ルイ
- 2020年2月27日
- 読了時間: 4分
更新日:2020年3月20日
今、世界中を震撼させている新型コロナウィルス騒動がここイタリアにも巻き起こっています💦
ついこの前までは「対岸の火事」だったはずなのに...ニュースで報道された日を皮切りにあっという間に感染者数が急増し、感染範囲も拡大しています。
日本のニュースでも一部が報道されているようですが、現地ミラノの実際の状況をリポートしたいと思います(この記事は執筆時2月27日12時現在の情報を基に書いています)。
思い返せば、この年末年始に日本に一時帰国していた頃は、まだダイヤモンド・プリンセス号の騒ぎの前で、私が1月25日にミラノに到着した際には、空港の様子も普段と何も変わりませんでした。
ところが、1月30日に国内初の感染者(中国から旅行に来ていた中国人夫婦がミラノから入国してローマで発病・入院)が確認されると、イタリア政府は翌日には「非常事態宣言」を発令し、中国からの直行便を一時的にストップする措置を取りました。
この頃はまだ、ミラノではチャイナタウンの人出が減ったり、そこで行なわれる春節のパレードが中止になったりといった程度の影響でした。
そして、先週の木曜日(2月20日)に私がスペイン周遊のアテンドから戻った時には、バゲージエリアと税関の間に臨時の「検疫」が設けられ、一人一人サーモグラフィーのモニターで熱がないかどうかのチェックが行われていました。
私の記憶する限り、イタリアの空港では見たことがない光景だったので、他のアジアからの入国者を警戒してのことだとばかり思っていたのです。
ところが、一夜明け金曜日に飛び込んできたニュースは、ミラノ県に隣接するローディ県内の複数の町で、イタリア人初の感染者が複数人確認され、ただちにそれらの町を封鎖したと言うものでした。その中でミラノ市内の病院に収容された患者もいたため、マスコミも大きく取り上げて、ミラノでも瞬く間に緊張感が走りました。
第一報で公式に発表された感染者数は、ミラノを州都とするロンバルディア州で14人、ヴェネツィアを州都とするヴェネト州で2人の計16人でした。
これが翌土曜日になると60人を超え、日曜日のお昼には100人を超え...と、ニュースを見る度に感染者数が増えていき、その範囲もどんどんと拡がりを見せていったため、これはただ事ではないと誰もが危機感を覚え始めました。
そんな中、日曜日の午後いつものようにスーパーマーケットへ買い物に行くと、まず駐車場がいっぱいで、そこから嫌な予感はしていました。店内に入ると、医療関係者か工事従事者しかマスクなんてしないイタリア人が、マスク姿で買物に来ているではないですか!
そして、いつもより混んでいる店内で、何よりも驚いたのが...目の当たりにしたこちらの光景です。

イタリア人にとっては主食となるパスタの棚と、災害時に保存のきく缶詰類の棚がご覧の通り見事にがらーんとしているではないですか!そうです、買占め行動です!!
もうこれを見ただけで、普段は冷静なイメージのミラネーゼがパニックになっているのが容易に想像できました💦
そして、私が感心したのはイタリア政府や各自治体の対応の早さと徹底度です。
まず、日曜に行われるセリエA(サッカー国内リーグ)の試合を延期、ちょうどミラノで開催中だったファッションウィークの最終日のショーも、アルマーニが「無観客」で実施(SNSで配信)した以外は中止、スカラ座の公演も中止、ヴェネツィアで開催中だったカーニヴァルも2日早めて終了...と、イベントごとは直ちに中止か延期となりました。
ミラノでは大聖堂や美術館・博物館など主要な観光施設、映画館や劇場などの娯楽施設も閉館し、幼稚園から大学や専門学校などの教育機関も休校、ジムや体育館などのスポーツ施設も閉鎖といった具合で、これらは1週間の目途で政令が公布されました。
さらには、パブやディスコなど夜間営業の娯楽施設の休業やバール(イタリア式喫茶店)の18時以降の営業停止などの徹底ぶりです。

これらは「政令」なので、違反すると罰金が科されるため、当然みな遵守します。日本の政府が出していたような「自粛要請」といったあいまいな判断基準のものではないのです。
それでも、感染者数は増え続ける一方で、24日夕方には200人を超え、25日夕方には300人を超え、26日の夜にはついに400人を超え...そして、27日お昼の時点で453人というハイペースで、感染範囲も北部イタリアにとどまらなくなってきています。
さらには、世界各地に行ったイタリア人旅行者が旅先で発症しているケースも出ていて、イタリアは今、悪い意味で世界中から注目されているのです😅
日本のオリンピック開催問題なども取り沙汰される中、母国の日本でも、生活しているイタリアでも心配事が絶えない毎日ですが、とにかく、この脅威のコロナウィルス騒動が一日も早く収束し、世界中で終息宣言が出されることを祈りつつ、ミラノからのレポートをお届けしました。
(※状況は刻一刻と変わっているため、観光施設等に関する最新の情報はご自身で公式サイトより確認されるようお願い致します)
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