止まらないコロナの勢い!イタリアでも全国一斉休校に!!
- 舞緒ルイ
- 2020年3月5日
- 読了時間: 5分
日本でもニュースで報道されているように、イタリアの新型コロナウィルス感染の拡大が驚異的な勢いで加速しています。この一週間で収束するどころか、状況は悪化する一方…現地にいて報道を見聞きする度に、不安な気持ちが募るばかりです。
前回ブログ記事を書いた2月27日お昼の時点でのイタリア全土の公表数は、感染者453人(死者12人)だったのですが、その夜には650人(死者17人)とたった半日の間に200名も増え、28日にも200名以上増えて888人(死者21人)、29日には300名近く増え1,128人(死者29人)と千人の大台を超え、3月1日にはなんと500名以上増えて1,694人(死者34人)、2日に2,036人(死者52人)、3日に2,502人(死者79人)、そして昨日4日の18時に発表された感染者数は3,089人(死者107人、回復者276人)でした。
この2日の間に1,000人以上も感染者が増加し、死者数も倍増して100人を超えたのです!いくら他国に比べて検査数が多いからと言って、あまりにも異常な数字の増え方に驚かずにはいられません。。。
下の地図は、州ごとの感染者数の分布図...ミラノを州都とするロンバルディア州だけで1,820/3,089人と6割を占めています。
そして、当初は北部にだけ集中していたのが、イタリア全国に拡がっているのが分かります。実際にイタリア20州のうち、今日現在で感染者が一人も出ていないのは、北西部にあるヴァッレ・ダオスタ州(スイス、フランスと国境を接する特別自治州)のみとなっています。(この記事は執筆時3月5日15時現在の情報を基に書いています)

※こちらの分布図は<CORRIERE DELLA SERA>掲載のものです
このことから、イタリア政府は今日5日から15日までの期間、全国一斉休校を決定しました(ロンバルディア州では、当初1日までだったのが8日まで延長されることは決定済みでした)。
また、昨日新たに制定された法令では、他人との身体的な接触を避け、挨拶の際にもハグやキス、握手もしないようにと求めています。
さらに、飲食店や映画館・劇場等の屋内施設では、1メートル以上の対人距離を保った上で営業するように通達され、一部の施設は入場制限か事実上の休館となっています。

※ロンバルディア州では一足早く政令が通達され、3月2日から店舗の入口に…
イタリア人にとって、子供の頃から身体に染みついている挨拶の仕方の習慣...果たしてそんなに簡単にやめることができるのでしょうか?!
それ以外には、75歳以上の高齢者と持病を持つ65歳以上の人は極力外出をしないようにと勧告されています。
昨日の政令では、向こう一か月の観客を伴うスポーツイベントを全国で禁止としたため、サッカーの国内試合は延期されていたものも含め、無観客で行なうことに決まりました。
大きなイベント等は中止か延期になっているものが多く、例えば、ミラノで毎年4月に開催される「サローネ」(国際家具見本市)は、早々に6月に延期が決まっていましたが、同じく4月にヴェローナで行なわれる「ヴィーニタリー」(国際ワイン見本市)の開催も6月に延期されることが発表されました。
実際のミラノの街の様子はというと、先週のブログで報告したようなスーパーでの買占め行動については直ぐに落ち着き、商品も補充されて普通に買い物ができています。
マスクをして歩いている人も目立たなくはなりましたが、薬局の入口には「マスクと消毒液は品切れです」といった貼り紙を見かけます。
たまたま週末に行った墓地や教会(本来ならミサがあるはずなのに)は、ほとんど人がいませんでしたし、ショッピングセンターもガラガラで、閉店しているお店も少なくありませんでした。
週末にあるはずだったカーニヴァルのパレードは当然のように中止され、中心部の観光地やブランド通りもガラーンとして人が少なく、中国人経営のバールやレストランはほとんど閉まっています。
他にも、心配していたように、イタリアからの飛行機の乗入を当面禁止する国などが出始めたり、イベントの中止や延期に伴って、ホテルやレストランのキャンセルが相次いでいて、航空業界や観光業は大打撃ですし、飲食業界ももろに余波を受けています。
もちろん、経済的な痛手は各業種に及んできますし、急増している感染者を収容しきれない医療体制の問題なども山積みなので、イタリア政府も次なる対策を早急に打つ必要に迫られています!
個人的には、昼間フルーツを買いに近所のメルカート(青空市場)に行った時に、すれ違いざまに背後から「コロナ!」と叫ばれたのはちょっとグサッときましたね。噂には聞いてはいましたが、こういった人種差別的な発言や行動がエスカレートしていったら怖いなぁと感じました。
さて、政府や行政の初期の対応が迅速だったにも拘わらず、何故イタリアでここまで感染が拡がってしまったのでしょうか?!
一つには、中国からの直行便を即刻ストップしたのが裏目に出たのでは?と言われています。ちょうど中国では春節のバカンス時期だったので、経由便で入国してきた中国人(経由すると入国審査は経由地でとなる)をコントロールしきれなかった訳です。
もう一つは、国内最初のイタリア人発症者に中国への渡航歴がなかった(この人に感染させた中国から帰ってきた友人は陰性のままだった)ため、病院側がコロナとは警戒せずに隔離をしないでいたので、その間に医者や他の入院患者に院内感染が広まってしまったのです(このことは病院側もミスを認めたそうです)。
とにかく、この脅威のコロナウィルス騒動が一日も早く収束し、世界中で終息宣言が出されることを切に祈りつつ、ミラノからのレポート続報をお届けしました。
(※状況は刻一刻と変わっているため、観光施設等に関する最新の情報はご自身で公式サイトより確認されるようお願い致します)
<追記>5日の18時に発表された新たな数字は、感染者総数が3,858人(うちロンバルディア州2,251人)と、たった一日で800名近くが増えてしまい、死者148人と新たに41名もの方が亡くなられました。回復者数も414人と140名近くが陰性になったようですが、いずれにしても状況は一向に歯止めがかかっていない様相です。
ちなみに、昨日まで感染者がゼロだったヴァッレ・ダオスタ州からも2名の感染者が出たため、これで事実上イタリア全土が感染地域となってしまいました。。。
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