top of page

更新日:2020年6月8日

一昨日の朝、ミラノの上空を9機の戦闘機が轟音とともに通過しました。その戦闘機からはイタリアンカラー(緑・白・赤)の噴煙が出て、まるでイタリア国旗が空を舞っているように映りました。


このアクロバティックな技を披露しているのは、イタリア空軍所属の曲技飛行隊で、愛称は『フレッチェ・トリコローリ(Frecce Tricolori)』・・・「フレッチェ」は「」を意味し、「トリコローリ」は直訳すれば「三色」~つまり「三色旗(イタリア国旗)」を表しています。1961年に創設され、イタリア北東部のリボルト空軍基地を拠点としている飛行チームです。


【ミラノ大聖堂の上空を飛ぶ飛行隊】

今回、5日間かけてイタリア全土を飛行するツアー『ジーロ・イタリア』が企画され、 “団結、連帯、復興”をテーマに、象徴的にイタリア国民を勇気づけると同時に、新型コロナウィルスの犠牲者と家族への敬意を示そうというものです。


そのツアー初日が、このコロナ騒動の発信地となったロンバルディア州コドーニョの町を皮切りに始まり、ミラノやトリノの上空を飛んで北西部へ。昨日はジェノヴァからフィレンツェなどの中部イタリア、今日はシチリア島の上空、明日はバーリやナポリなど南イタリアへ行き、5日目はアドリア海沿岸からボローニャやヴェネツィアを経由して北東部に戻るというルートです。


イタリア人が挨拶する時にするハグ(抱擁)ができない現在の状況下において、「まるで空から大きなハグで包まれているようだ!」という見出しでネットニュースでも紹介されました。

せっかくなので、ミラノの大聖堂の上を通過する様子をライブ音とともにご覧ください!




このツアーは、最終的には6月2日イタリア共和国記念日をお祝いするために、首都ローマでアクロバット飛行を披露して締め括ります。

74周年となる今年は、まだコロナ禍の最中のため、例年のような軍事パレードは予定されていませんが、この日の記事を以前ブログで簡単に紹介しているので、良かったらコチラ☜をご参照ください。



<その後のイタリアの状況の推移>

では、前回のブログ以降のイタリアの状況をレポートしたいと思います。(この記事は執筆時5月27日の現地16時現在の情報を基に書いています)


まず、この2週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

  

  *5/ 8-14 感染者数:1,030 死者数:200 回復者数:2,530

  *5/15-21 感染者数: 700 死者数:160 回復者数:2,750

ご覧のように、その後も減少傾向で推移しています。新規感染者数は、5月13日から昨日(26日)まで、14日連続で1,000人を下回っていて、この2日間は300人台と過去の2ヶ月間と比較すれば低水準ですし、死者数も昨日まで3日連続で100人を下回っています。


さて、外出禁止令が解除となって10日目~先週末は解除後の初めての週末を迎えたミラノですが、懸念されていたように、若者を中心に大勢の人が街に繰り出しました。

その様子はまた、次回のブログで改めてリポートしたいと思います。


注:写真や動画はネットニュースよりお借りしたものです。



更新日:2020年5月26日

土曜日の夜(5月16日)に行われたコンテ首相の会見は、久しぶりに報道陣を集めて行なわれたものでした。あえて屋外(首相官邸の中庭)にて、数社に絞られた記者同士の間隔もあけて設置されている光景が印象的でした。

ロックダウンされてからは、会見はテレビとインターネット中継のみで行なわれ、記者からの質問も、先週まではリモートのビデオ電話方式が採用されていたからです。


【記者の質問に答えるコンテ首相(左)/16日の記者会見の模様(右)】

段階を追って元の生活を取り戻そうとする「フェーズ2」の次のステップ=商業活動や博物館・美術館などの再開が5月18日から始まるにあたり、6月1日から予定していたレストラン・カフェなどの飲食店や、美容・理容院、エステなどを含む店舗営業を前倒しして、これらも一斉に5月18日から再開可能にするとの発表があったのです。


他に18日から再開可能な活動は、ミサなどの宗教活動、スポーツにおけるチームでの練習、そして、少し早い感じはあるけれど海水浴場・・・早速ビーチにおけるソーシャルディスタンスについても盛んに報道されています。

さらに、5月25日からはプールやジムなどのスポーツセンターも再開できることになっています。

ちなみに、映画館や劇場など、屋内で大勢の人が集まるような施設の再開予定は、6月15日からと、まだ様子を見てのスケジューリングのようです。


中でも一番に驚いたニュースは、6月3日からイタリアが国境をEU諸国に対して再開放する、というものでした。

これまでは、特別な理由があって、それを証明できる場合のみ、県外や州外へ行くことが許可されていた移動制限でしたが、それが早くも来月から(イタリアでは6月2日が祝日で飛び石連休となるので、その連休明けで3日になった模様)、EU圏内に限定されているとはいえ、国外との行き来(相手国の入国条件にもよる)を可能にするというのです。

この背景には、15万人といわれる東欧からの季節労働者の受入れと、イタリアGDPの13%を占めている観光産業を何としても崩壊から防ぎたい、といった意図があるようです。



<数字で見るイタリアの状況の推移>

では、この政府の決定の背景にあった指針=その後のイタリアの状況をレポートしたいと思います。(この記事は執筆時5月19日の現地14時現在の情報を基に書いています)


まず、前回のレポート以降の2週間の推移を見てみましょう。1日の増加数の週ごとの平均値は、比較のために3週間前からのものです。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

 

  *4/24-30 感染者数:2,210 死者数:350 回復者数:2,620

  *5/ 1- 7 感染者数:1,490 死者数:280 回復者数:2,900

  *5/ 8-14 感染者数:1,030 死者数:200 回復者数:2,530


ご覧のように、新規感染者数は2週間で半分以下となり、死者数も6割弱と引き続き減少が顕著にみられます。

これは1週間の総数ではなく、それを7で割った一日の平均値なのでお間違えなく!(日本の数値と比べると桁違いなので念のため。。。苦笑)


そして、昨日まで6日連続で新規感染者数が1,000人を切り、昨日(18日)発表された数字は451人と500人を下回ったのは3月3日以来、死者数は99人と100人を下回ったのは3月9日以来で初めてでした!


もちろん、政府が指針としているデータはこれだけではありません。陽性率やICUの患者数など他の数字も合わせ、専門家の意見を交えた総合的な判断となります。

 

前回同様、以下に昨日(5月18日)更新された最新の折れ線グラフを貼り付けています。

赤線が新規感染者、緑が回復者、グレーが死亡者、サーモンピンクが現状の陽性者数を表しています。

【この2ヶ月間の推移を表す折れ線グラフ】


一番右に書かれている数字が、昨日(5/18)発表された前日からの増減数です。

このままのペースで良いので、確実に新規感染者も死亡者数も減っていってくれることを願うばかりです。

【この2ヶ月間の累積傾向を表す折れ線グラフ】


右端の数字は、昨日(5/18)発表された各項目の総数です。安定して回復者数(緑線)も出ているため、5月6日時点で折れ線が交錯して以降、現状の陽性者数(サーモンピンク)を上回り続けています。


ちなみに、6万6千人以上の陽性者のうち、入院患者数は約1万人余り、集中治療患者が749人、それ以外は自宅療養者となっています。



<新しい生活スタイル>

2ヶ月以上に渡る規制下での生活に、多くのイタリア人は我慢してストレスを貯めつつ、不安を抱えながら自宅に篭って過ごしていました。

昨日からは、様々な条件付き(公共の場での対人距離やマスクの着用、入店時のアルコール消毒など)とはいえ、普通に外出して買い物をしたり、カフェで友達とお茶を飲んだり、家族で外食することができるようになりました。


私も久しぶりに、スーパーへの買い出し以外で近所を散策してみました。もちろん、規制が緩和されたとはいえ、上記のデータの通り、新規感染者や陽性者がまだ多数いるので、充分に警戒する必要はあります。

警戒するのはお互い様で、人と道ですれ違う際にも端と端に分かれて距離を保つ習慣は身についたままです。


【マスクを付けて対人距離を保ちながらベンチで日光浴する人たち】


そして、目についたのが自転車で移動する人が多かったことです。公共交通機関の混雑を緩和するため、自転車での通勤や移動を推奨しているという話は耳にしていました。

実際に4月末から、ミラノ市内では自動車道路から「自転車専用道路」への転用という形で工事が進められているのです。

さらに最近、新規で自転車を購入する人には、申請すれば60%の補助金(上限500ユーロ)が補填されるというニュースを見て驚きました。


【自転車で移動中もマスクを着用する人々】


近年では、排気ガスによる空気汚染が問題になっていた街なので、そういう意味では一石二鳥のような気もしますが、自動車や歩行者との接触事故などが増えたりしないか心配だったりもします。

また、ミラノ市内はトラムが網羅されていて、上の写真にも見られるように路面にレールが敷かれているところが多いため、自転車の車輪がレールに嵌ったり滑ったりして、注意が必要です。



<公共交通機関では>

地下鉄やバス・トラムといった公共交通機関では、ソーシャルディスタンスを維持するために、乗車人数を制限したり、停留所や車内などにマーキングが付けられています。

今までは整列して並んだりする習慣のなかったイタリア人も、さすがに人との蜜を避けるために守っているようです。


【地下鉄では座席も間隔を空けて(上)/バス停にもマーキング(下)】



<ニュースで見る実情>

営業再開のゴーサインは出たものの、経営者サイドにしてみれば手放しで喜べることばかりでもありません。例えば、レストランやカフェでは、テーブルとテーブルの間隔を空けるためにテーブルや座席数を減らしてレイアウトを変えるなどの工夫を余儀なくされます。当然、集客量は半減またはそれ以上に減るところがほとんどでしょう。


そして、再開したからといって、すぐにお客さんが戻るという見込みも保証もありません。この2ヶ月の外出禁止期間で、人々の間からは外食の習慣がなくなり、自炊生活が身についてしまったことに加え、他人と接触して感染するリスクがなくなった訳ではないからです。


特に、観光都市や観光客相手の商売は、問題がより深刻です。仮に、予定通りEU間での国交が再開したからといって、すぐに旅行者が観光目的でやってくる見込みも保証もありません。加えて、今回のコロナ問題は、イタリアだけでなく他のEU諸国中に拡大している訳ですし、さらに言えば、ここ近年のイタリアの観光収入を支えてきたのは、むしろEU圏外の国からの旅行者が主だったからです。


中には、すぐに活動を再開せずに様子を見る商店や飲食店もあるようですし、再開させたくてもその操業資金にも困っていて開けられない店舗も少なくないとか・・・



<今後の懸念と課題>

コンテ首相が記者会見でも述べたように、油断してまた感染状況が悪化してしまった場合には、再び封鎖せざるを得ない可能性も十分にあります。

世間では、まだ時期尚早なのではないかという慎重派もいれば、遅すぎたくらいだと批判している人たちもいます。


土曜日の記者会見から一夜明けた日曜日、爽やかな初夏の陽気で、市内の公園には沢山の家族連れや若者で溢れていた映像がニュースで流れました。


お隣フランスでは、先週11日から学校が再開したそうですが、イタリアでは9月の新学期までの休校継続が決まっていて、実質的にこのまま夏休みに突入です。2月末から休校になっていた子供・学生たちは、約3ヶ月ぶりに友人との再会が可能になったので、こういった現象も致し方ないことなのだと思います。


一方で、普段でも3ヶ月と長い夏休みが、今年はなんと半年になる訳です!もちろん、この間もオンライン授業が行われているようではありますが、実際には学校によってバラつきも多いと聞いているので、イタリアの若者の学力の低下が将来に響かなければいいなぁと懸念する声も少なくありません。


何はともあれ、当面の間はウィルスと共存していかなければならない訳なので、引き続き気を引き締めて注意しながら、一人一人がルールを守って自分にできることをやっていくことが感染の再拡大を防ぐ唯一の方法ではないかと思っています。



更新日:2020年5月18日

早いもので今日から5月…ヨーロッパでは『メーデー』の祝日ですが、昨今では労働者の祭典というイメージが強いですよね。もともとは『五月祭』として古代ローマに由来する祭日で、豊穣の女神マイアに供物が捧げられ、の豊穣を予祝するお祭りが行われていたそうです。(今も地方によって続けられている国もあるようです)


『労働者の日』ということで真っ先に頭に浮かぶのは、今この瞬間も病院で懸命に働いている医療従事者の方々のことです。想像を絶する困難な状況が長引いている中で、決して諦めることなく使命を全うしてくださっていることに尊敬の念と感謝の想いを抱かずにはいられません。


加えて、私たちがこうして2ヶ月近くも自宅に篭っていながらも、ある意味で不自由なく毎日を過ごせているのは、多くの労働者の方たちのお陰で成り立っていることは言うまでもありません。

良く例えてあげられますが、スーパーマーケットの従業員の方たちをはじめ、そこに商品を納入している生産者の方たち、物資を運搬してくれる運送業者がいるからこそ、日常の生活に必要な食料その他を購入することができているのです。


他にも身近に感じる事例では、ゴミの収集や道路の清掃業者、テレビやネットでニュースを伝えるために取材を続けてくれている報道関係者、政府や行政など国民や市民のために政策や実務に対応してくれている関係者、皆が規律を守るように警備や巡回をしてくれている警察官や軍隊などなど、きっと目に見えないところでもお世話になっている労働力があって日頃の生活が維持できているのです。



<数字で見るイタリアの傾向>

前置きから長くなりましたが…その後のイタリアの状況をレポートしていきたいと思います。(この記事は執筆時5月1日の現地17時現在の情報を基に書いています)


まずは、前々回のレポート以降の3週間の推移を見てみたいと思います。今回も比較のために、4週間前からの1日の増加数の週ごとの平均値を出しています。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

 

 *4/ 3- 9 感染者数:4,050 死者数:620 回復者数:1,810

 *4/10-16 感染者数:3,620 死者数:560 回復者数:1,670

 *4/17-23 感染者数:3,000 死者数:480 回復者数:2,490

 *4/24-30 感染者数:2,210 死者数:350 回復者数:2,620


ご覧のように、ここに来てようやく緩やかながらも減少が顕著にみられます。

今週は、新規感染者数が2,000人を下回る日が2日あり(3月10日以来で48日ぶり)、死亡者数が300人を下回る日が2日あったのです(3月14日以来で43日ぶり)。

一方で、一覧に回復者数も加えてみたのですが、今週はやっと新規感染者数よりも回復者数の方が上回りました!


日本の報道と比較してしまうと、数字の桁が違うことは分かっていますが、この2ヶ月近くステイホームを続けてきて、毎日この数字とにらめっこして生活していたので、少しでも効果が出てきていることを嬉しく思わずにはいらません。

 

以下に昨日(4月30日)更新された最新の折れ線グラフを貼り付けています。

赤線が新規感染者、緑が回復者、グレーが死亡者、サーモンピンクが現状の感染者数を表しています。

【この2ヶ月間の推移を表す折れ線グラフ】


一番右に書かれている数字が、昨日(4/30)発表された前日からの増減数です。

1日で回復者数が4,693人(これまでで最多)と、新規感染者の1,872人を大きく上回ったため、現状の陽性者数が1日でマイナス3千人以上という記録的な減少をみせました。


同時に、感染者数増加のピークだった3月21日以降、一進一退の状況を繰り返しながら、緩やかな下降線を描いていることもみてとれるかと思います。

(実際に政府の予測では、ピーク後にもっと顕著な減少を期待していましたが・・・)

【この2ヶ月間の累積傾向を表す折れ線グラフ】


2つ目のグラフは、累積の数字になります。右端の数字は、昨日(4/30)発表された各項目の総数です。感染者は20万人を超え、死者も2万8千人に近づいていて、この時点での死亡率は13.6%となっています。



<政府が決めた方針>

さて、移動制限をはじめとした企業活動の休止期間が、今週末の連休明け(5月3日)まで延長されていましたが、今週の頭4月26日(日)の夜に行なわれたコンテ首相の記者会見で、新たな首相令が発表されました。


上記のように好ましい傾向がみられ始めたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況にあることに変わりはないのですが、これ以上に経済活動の休止が長引くと事態が深刻化するだけでなく、建て直しするにも回復しきれない程に衰弱してしまうことを懸念し、段階的に様子を見ながら規制を緩めていくことになりました。


一般的にこちらでは『FASE-2(ファーゼ・ドゥエ)』と呼ばれていて、第2段階という意味合いで使われています。

実施は5月4日からで、5月18日、6月1日と、2週間毎に3つの段階を経て元の生活を取り戻そう…という計画です。


コンテ首相は、冒頭で次のように述べました。「これまで皆さんは、強さ、勇気、責任感と共同意識をみせてくれました。これからはウイルスとの共存という段階になります。この段階において、感染が再び拡がるかも知れないリスクがあることは認識しておかなければなりません。一人一人の責任ある行動が、さらに重要となってくる訳です。基本的なことは、少なくとも1メートルの対人距離をとること、それは親族との関係でも同じです。皆さんがイタリアを愛しているのであれば、どうか距離をとってください。」


そして、改正された法令の主な内容は以下の通りですが、今回の首相令で規制が緩和された事項には下線を付しています。(5月17日まで有効)


*人の密集を避け、対人距離1メートルを確保し、マスクを利用することを条件に、証明される業務上の必要性、必要がある状況、健康上の理由のみによる移動が許可される。

親族に面会するための移動は「必要がある状況」とみなされる。


~いずれにせよ、公共または私的交通機関を利用して、現在自分が居住する州から別の州へ移動することは、証明される業務上の必要性、極めて緊急性の高い事態、健康上の理由を除いて(引き続き)禁じられる。


呼吸器系感染症を発症している、あるいは37.5度以上の熱がある者は、自宅に留まり、かかりつけ医師に連絡して社会的接触を最大限に制限すること。


公共の場および私的空間における人の密集を(引き続き)禁止する。


公園や公共庭園へのアクセスは、上記規定が遵守できること、また対人距離1メートルを確保することが条件となる。各市長は、この規定が遵守できないと思われる特定の場所を一時的に閉鎖することができる。子供の遊具が設置される場所は閉鎖される。


*屋外での娯楽・レクリエーション活動は(引き続き)認められていないが、個人で(未成年や介が必要な人は付き添いを伴い)スポーツには最低2メートル、運動には最低1メートルの対人距離を確保する場合、活動することが認められる


スポーツ選手の個人的な練習は許可する


*飲食業は(引き続き)営業休止だが、契約に基づいたケータリングサービスは、最低1メートルの対人距離を確保する条件で、営業休止対象から除外される。調理及び宅配の時の保健衛生規定遵守のもと、飲食業の宅配サービスおよび店舗からの持ち帰りサービスは認められる。ただし、持ち帰りサービスでは最低1メートルの対人距離を確保し、店内での飲食の禁止、店舗近辺に留まることの禁止の遵守が求められる。


葬儀を行うことを許可するただし、参列者は一・二親等の親族のみで、最大15人までに限る。可能な限り屋外で対人距離を守り、マスクなどの予防措置をとった上で行なう。


*全土において、製造業、建設業、卸売業等の活動再開が認められる。(例外もあり)


高齢者や複数の慢性疾患や先天的または後天的な免疫不全を抱える者は、真に必要な場合を除き、住居や居住地からの外出を避けることを推奨する。


新型コロナウイルスの感染拡大抑止のため、交通機関内を含む公共の屋内の場や継続的に対人距離を維持できない場合には、呼吸器を防護するための用具(マスク等)の使用を全国で義務化する。ただし、6歳以下の子供、マスクの継続的な利用ができない障害者、これらの人々のケアにあたる者は当該義務の対象ではない。


マスクは、然るべき防護に適した多層構造の素材でできており、かつ快適さと呼吸可能性も保障するものであれば、コミュニティで作ったマスク、使い捨てマスク、洗浄して繰り返し利用可能なマスク(自家製マスクも含む)であっても差し支えない。


なお、同首相令では、「各州知事が保健相との合意のもと決定する州内の特定地域に対する(本首相令より)厳格な感染拡大防止措置は引き続き適用される」とされていて、州によっては更に厳格な措置が取られることもあります。


そして、まずは上記で様子を見た上で、さらに次の段階の緩和を予定しているようです。


〔5月18日より施行予定~詳細については検討中〕

・小売業の再開

・博物館、図書館、展覧会の再開

・チームで行うスポーツの練習の再開


〔6月1日より施行予定~詳細については検討中〕

・バール、レストラン等の飲食業、ならびに理・美容院、エステ等の接客業の再開



<不安視する声>

コンテ首相の声明が行われて以降、もちろん国内では様々なことが言われています。

もともと感染者や死亡者の少なかった中部や南部の州では、ほぼ新規感染者が出なくなっているところもあり、もっと早い段階での規制緩和を求める声も出ていました。

ところが、イタリア全体の感染者数の4割、死亡者数の5割を占めるロンバルディア州や、まだ連日3桁台の感染者を出している他の北部の州では、高い緊張感が続いていて、中部や南部の州との温度差があることは想像できるかと思います。


今回の規制緩和で、せっかく減少傾向にある数字が再び上がってしまう懸念、そのことにより今までより状況が悪化するかも知れない不安は拭い切れないのも事実です。


中には、ちょうど100年前に世界で大流行したインフルエンザ『スペイン風邪』と比較され、その時には第2波、第3波と繰り返したことをあげて、不安視する声も出ています。



<世界の状況>

ちなみに、世界の他国の状況ですが、アメリカでは100万人以上の感染者と6万3千人以上の死者が出ています。ヨーロッパ諸国でも、スペインが21万人以上の感染者と2万4千人以上の死者、英国が17万人以上の感染者と2万6千人以上の死者、フランスが16万人以上の感染者と2万4千人以上の死者、そしてドイツでも16万人以上の感染者と6千人以上の死者を出しています。


これらから比べると、日本は検査数が少ないとはいえ、まだまだ低い数値で推移している方だといえます。どうか、これまでの諸外国の状況や対応も参考にしながら、今しばらく辛抱して、感染爆発や医療崩壊が起こらないように耐えて下さい!


イタリアも、もっと頑張ります!たとえ当面の間はウィルスと共存していかなくてはならないとしても。。。



bottom of page