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一向に歯止めがかからず加速するスピードで拡がる新型コロナウィルス~3月9日に発令された「首相令」でイタリア全土がレッドゾーン(危険領域)に指定され、10日からは移動制限が実施され、事実上イタリア丸ごと封鎖となりました!


連日のように日本でもニュースで報道されているので、ここ数日だけでも友人・知人や親戚、お客様など、多くの方から安否を尋ねるメールやメッセージを頂いております。

なかには、できることや必要なものがないか等、気遣いのお言葉や励ましまで頂戴して勇気づけられています。ご心配をおかけしていますが、今のところ無事に過ごしておりますので、ご安心ください!


さて、週一ペースではありますが、継続してその後の経緯や現状をここにレポートしていきたいと思います(この記事は執筆時3月12日15時現在の情報を基に書いています)。


まずは、前回のブログ以降の出来事を時系列にまとめてみます。


☆3月7日現在の感染者数は5,883人(死者233人)となり、2日間で2,000人以上の感染者が増えたことを受け、8日未明にコンテ首相が「首相令」を発し、ロンバルディア州すべてとイタリア北部の14の自治体をレッドゾーンに指定して、移動制限を命じました。

(この情報が事前に漏れたため、ミラノ中央駅には南部イタリアへ逃げる人が押し寄せて、電車は大混乱となりました。)

そして、8日夕方には、さらに1日で1,500人近く増え、感染者数7,375人(死者366人)となりました。


☆3月9日夕方には、1日でさらに1,800人近く感染者数が増え9,172人(死者も100名近く増え463人)となりました。そこで、イタリア政府は新たな首相令を定め、移動制限、学校閉鎖の延長、レストランやバールの夜間営業停止等の措置を10日朝からイタリア全土に適用することを決定しました。移動制限については,職務上の必要性、健康上の理由、自身の住居への移動等に該当する場合以外は認めらず、これらの措置は4月3日まで有効です。


☆それでも状況は好転せず、10日の夕方に発表された感染者数は大台を超え10,149人(死者631人)となり、翌11日の夕方にはこれまでで最大の2,300人以上の感染者が増えて12,462人(死者も200名近く増え827人)となったため、夜になってコンテ首相が緊急記者会見を開き、本日12日より2週間(3月25日まで)イタリア全土の商業活動を制限する命令を出しました。

具体的には、食料品や生活必需品の販売店、薬局及びスーパーマーケットを除く全ての商業及び小売り販売活動の休止を規定しました。また、レストラン、バールなどの飲食店は夜間営業のみでなく全面的に閉鎖(一部の宅配サービスは可)するよう命じられました。


昨日の発令前の昼間、近所のスーパーマーケットへ買い物へ行った時の写真が下のものです。店内が混みあうと、政令で定められた1メートル以上の対人距離を保てないので、入口で入場制限をしていました。

ご覧の通り、ざ~っくり(笑)とではありますが、1メートル間隔で並んでいるため、長蛇の列となっているのです。


※スーパーマーケットに並ぶ長蛇の列


スーパーの店頭にも下のような貼り紙がありました。分かりやすく図解されていたので写真をとっておきました。

冒頭には「自身を守って他の人を保護しよう」と書いてあります。


※スーパーマーケットの入口に掲げられた表示


この図を簡単に説明すると・・・


①店内の混雑を避けるため入場制限をしています。入口で1メートル以上の距離を保って並んでください。


②店内でも他のお客様との間に1メートル以上の距離を保って下さい。


③エレベーターを使う場合は2人までとし、中でも1メートル以上の距離を保って下さい。


④テーブルでは交互(向い合せたり隣合せず)に座り、1メートル以上の距離を保って下さい。(⇒中にある飲食スペースがクローズされる前だったので)



日本のニュースや新聞では「移動制限」と訳されることが多いようですが、要するに買物や緊急の用事以外は極力外出をせず家にいるようにと勧告されています。また、在宅でできる仕事はできるだけ家で行なうようにとのことです(日本でテレワークと言われているのは、こちらではスマートワーキングと呼ばれています)。

商業活動は中止でも、生産活動や流通業は継続しないと物資の供給ができないので認められています。また、郵便局や銀行、公共サービスは開いていますし、公共の交通機関も間引きにしながらも動いています。


ただ、隣接するいくつかの国(オーストリア、スロヴェニア等)は国境を封鎖していますし、たくさんの国から渡航中止となったため、多くの航空会社の便がキャンセルとなり、実質的に観光・娯楽施設もすべて閉鎖されているため、今やイタリア中の観光地もショッピングストリートもゴーストタウンのようになってしまいました。


世界でもユネスコ指定の世界遺産が一番多い国イタリア、世界中の観光客を魅了する美しいイタリア、何を食べても美味しい料理が自慢のイタリア。。。それが今では国ごと封鎖せざるを得ない事態に追い込まれるとは、数週間前に誰が想像したでしょうか?!


そして、その悲惨な状況は既に国境を越えて他のヨーロッパ諸国のみならず世界中に拡がりをみせ始め。。。とうとう昨日、WHOより「パンデミック宣言(世界的流行)」が出されてしまいました!!!


今は我慢の時です。一人一人が自分の身を守り、家族を守り、生活を続けなればなりません。今後のことは誰もが不安で仕方ありませんが、まずは自分ができることからやっていくしかありません。


<追記>12日の17時に更新された感染者数は15,113人(前日比2,651人増)、死者はついに千人を超え1,016人となりました。



日本でもニュースで報道されているように、イタリアの新型コロナウィルス感染の拡大が驚異的な勢いで加速しています。この一週間で収束するどころか、状況は悪化する一方…現地にいて報道を見聞きする度に、不安な気持ちが募るばかりです。


前回ブログ記事を書いた2月27日お昼の時点でのイタリア全土の公表数は、感染者453人(死者12人)だったのですが、その夜には650人(死者17人)とたった半日の間に200名も増え、28日にも200名以上増えて888人(死者21人)、29日には300名近く増え1,128人(死者29人)と千人の大台を超え、3月1日にはなんと500名以上増えて1,694人(死者34人)、2日に2,036人(死者52人)、3日に2,502人(死者79人)、そして昨日4日の18時に発表された感染者数は3,089人(死者107人、回復者276人)でした。

この2日の間に1,000人以上も感染者が増加し、死者数も倍増して100人を超えたのです!いくら他国に比べて検査数が多いからと言って、あまりにも異常な数字の増え方に驚かずにはいられません。。。


下の地図は、州ごとの感染者数の分布図...ミラノを州都とするロンバルディア州だけで1,820/3,089人と6割を占めています。

そして、当初は北部にだけ集中していたのが、イタリア全国に拡がっているのが分かります。実際にイタリア20州のうち、今日現在で感染者が一人も出ていないのは、北西部にあるヴァッレ・ダオスタ州(スイス、フランスと国境を接する特別自治州)のみとなっています。(この記事は執筆時3月5日15時現在の情報を基に書いています)


※こちらの分布図は<CORRIERE DELLA SERA>掲載のものです


このことから、イタリア政府は今日5日から15日までの期間、全国一斉休校を決定しました(ロンバルディア州では、当初1日までだったのが8日まで延長されることは決定済みでした)。


また、昨日新たに制定された法令では、他人との身体的な接触を避け、挨拶の際にもハグやキス、握手もしないようにと求めています。

さらに、飲食店や映画館・劇場等の屋内施設では、1メートル以上の対人距離を保った上で営業するように通達され、一部の施設は入場制限か事実上の休館となっています。


※ロンバルディア州では一足早く政令が通達され、3月2日から店舗の入口に…


イタリア人にとって、子供の頃から身体に染みついている挨拶の仕方の習慣...果たしてそんなに簡単にやめることができるのでしょうか?!


それ以外には、75歳以上の高齢者と持病を持つ65歳以上の人は極力外出をしないようにと勧告されています。


昨日の政令では、向こう一か月の観客を伴うスポーツイベントを全国で禁止としたため、サッカーの国内試合は延期されていたものも含め、無観客で行なうことに決まりました。


大きなイベント等は中止か延期になっているものが多く、例えば、ミラノで毎年4月に開催される「サローネ」(国際家具見本市)は、早々に6月に延期が決まっていましたが、同じく4月にヴェローナで行なわれる「ヴィーニタリー」(国際ワイン見本市)の開催も6月に延期されることが発表されました。


実際のミラノの街の様子はというと、先週のブログで報告したようなスーパーでの買占め行動については直ぐに落ち着き、商品も補充されて普通に買い物ができています。

マスクをして歩いている人も目立たなくはなりましたが、薬局の入口には「マスクと消毒液は品切れです」といった貼り紙を見かけます。


たまたま週末に行った墓地や教会(本来ならミサがあるはずなのに)は、ほとんど人がいませんでしたし、ショッピングセンターもガラガラで、閉店しているお店も少なくありませんでした。

週末にあるはずだったカーニヴァルのパレードは当然のように中止され、中心部の観光地やブランド通りもガラーンとして人が少なく、中国人経営のバールやレストランはほとんど閉まっています。


他にも、心配していたように、イタリアからの飛行機の乗入を当面禁止する国などが出始めたり、イベントの中止や延期に伴って、ホテルやレストランのキャンセルが相次いでいて、航空業界や観光業は大打撃ですし、飲食業界ももろに余波を受けています。

もちろん、経済的な痛手は各業種に及んできますし、急増している感染者を収容しきれない医療体制の問題なども山積みなので、イタリア政府も次なる対策を早急に打つ必要に迫られています!


個人的には、昼間フルーツを買いに近所のメルカート(青空市場)に行った時に、すれ違いざまに背後から「コロナ!」と叫ばれたのはちょっとグサッときましたね。噂には聞いてはいましたが、こういった人種差別的な発言や行動がエスカレートしていったら怖いなぁと感じました。


さて、政府や行政の初期の対応が迅速だったにも拘わらず、何故イタリアでここまで感染が拡がってしまったのでしょうか?!

一つには、中国からの直行便を即刻ストップしたのが裏目に出たのでは?と言われています。ちょうど中国では春節のバカンス時期だったので、経由便で入国してきた中国人(経由すると入国審査は経由地でとなる)をコントロールしきれなかった訳です。

もう一つは、国内最初のイタリア人発症者に中国への渡航歴がなかった(この人に感染させた中国から帰ってきた友人は陰性のままだった)ため、病院側がコロナとは警戒せずに隔離をしないでいたので、その間に医者や他の入院患者に院内感染が広まってしまったのです(このことは病院側もミスを認めたそうです)。


とにかく、この脅威のコロナウィルス騒動が一日も早く収束し、世界中で終息宣言が出されることを切に祈りつつ、ミラノからのレポート続報をお届けしました。

(※状況は刻一刻と変わっているため、観光施設等に関する最新の情報はご自身で公式サイトより確認されるようお願い致します)


<追記>5日の18時に発表された新たな数字は、感染者総数が3,858人(うちロンバルディア州2,251人)と、たった一日で800名近くが増えてしまい、死者148人と新たに41名もの方が亡くなられました。回復者数も414人と140名近くが陰性になったようですが、いずれにしても状況は一向に歯止めがかかっていない様相です。

ちなみに、昨日まで感染者がゼロだったヴァッレ・ダオスタ州からも2名の感染者が出たため、これで事実上イタリア全土が感染地域となってしまいました。。。


今、世界中を震撼させている新型コロナウィルス騒動がここイタリアにも巻き起こっています💦

ついこの前までは「対岸の火事」だったはずなのに...ニュースで報道された日を皮切りにあっという間に感染者数が急増し、感染範囲も拡大しています。

日本のニュースでも一部が報道されているようですが、現地ミラノの実際の状況をリポートしたいと思います(この記事は執筆時2月27日12時現在の情報を基に書いています)。


思い返せば、この年末年始に日本に一時帰国していた頃は、まだダイヤモンド・プリンセス号の騒ぎの前で、私が1月25日にミラノに到着した際には、空港の様子も普段と何も変わりませんでした。

ところが、1月30日に国内初の感染者(中国から旅行に来ていた中国人夫婦がミラノから入国してローマで発病・入院)が確認されると、イタリア政府は翌日には「非常事態宣言」を発令し、中国からの直行便を一時的にストップする措置を取りました。

この頃はまだ、ミラノではチャイナタウンの人出が減ったり、そこで行なわれる春節のパレードが中止になったりといった程度の影響でした。


そして、先週の木曜日(2月20日)に私がスペイン周遊のアテンドから戻った時には、バゲージエリアと税関の間に臨時の「検疫」が設けられ、一人一人サーモグラフィーのモニターで熱がないかどうかのチェックが行われていました。

私の記憶する限り、イタリアの空港では見たことがない光景だったので、他のアジアからの入国者を警戒してのことだとばかり思っていたのです。


ところが、一夜明け金曜日に飛び込んできたニュースは、ミラノ県に隣接するローディ県内の複数の町で、イタリア人初の感染者が複数人確認され、ただちにそれらの町を封鎖したと言うものでした。その中でミラノ市内の病院に収容された患者もいたため、マスコミも大きく取り上げて、ミラノでも瞬く間に緊張感が走りました。

第一報で公式に発表された感染者数は、ミラノを州都とするロンバルディア州で14人、ヴェネツィアを州都とするヴェネト州で2人の計16人でした。


これが翌土曜日になると60人を超え、日曜日のお昼には100人を超え...と、ニュースを見る度に感染者数が増えていき、その範囲もどんどんと拡がりを見せていったため、これはただ事ではないと誰もが危機感を覚え始めました。


そんな中、日曜日の午後いつものようにスーパーマーケットへ買い物に行くと、まず駐車場がいっぱいで、そこから嫌な予感はしていました。店内に入ると、医療関係者か工事従事者しかマスクなんてしないイタリア人が、マスク姿で買物に来ているではないですか!

そして、いつもより混んでいる店内で、何よりも驚いたのが...目の当たりにしたこちらの光景です。



イタリア人にとっては主食となるパスタの棚と、災害時に保存のきく缶詰類の棚がご覧の通り見事にがらーんとしているではないですか!そうです、買占め行動です!!

もうこれを見ただけで、普段は冷静なイメージのミラネーゼがパニックになっているのが容易に想像できました💦


そして、私が感心したのはイタリア政府や各自治体の対応の早さと徹底度です。

まず、日曜に行われるセリエA(サッカー国内リーグ)の試合を延期、ちょうどミラノで開催中だったファッションウィークの最終日のショーも、アルマーニが「無観客」で実施(SNSで配信)した以外は中止、スカラ座の公演も中止、ヴェネツィアで開催中だったカーニヴァルも2日早めて終了...と、イベントごとは直ちに中止か延期となりました。

ミラノでは大聖堂や美術館・博物館など主要な観光施設、映画館や劇場などの娯楽施設も閉館し、幼稚園から大学や専門学校などの教育機関も休校、ジムや体育館などのスポーツ施設も閉鎖といった具合で、これらは1週間の目途で政令が公布されました。

さらには、パブやディスコなど夜間営業の娯楽施設の休業やバール(イタリア式喫茶店)の18時以降の営業停止などの徹底ぶりです。



これらは「政令」なので、違反すると罰金が科されるため、当然みな遵守します。日本の政府が出していたような「自粛要請」といったあいまいな判断基準のものではないのです。


それでも、感染者数は増え続ける一方で、24日夕方には200人を超え、25日夕方には300人を超え、26日の夜にはついに400人を超え...そして、27日お昼の時点で453人というハイペースで、感染範囲も北部イタリアにとどまらなくなってきています。

さらには、世界各地に行ったイタリア人旅行者が旅先で発症しているケースも出ていて、イタリアは今、悪い意味で世界中から注目されているのです😅


日本のオリンピック開催問題なども取り沙汰される中、母国の日本でも、生活しているイタリアでも心配事が絶えない毎日ですが、とにかく、この脅威のコロナウィルス騒動が一日も早く収束し、世界中で終息宣言が出されることを祈りつつ、ミラノからのレポートをお届けしました。

(※状況は刻一刻と変わっているため、観光施設等に関する最新の情報はご自身で公式サイトより確認されるようお願い致します)


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